エーデルワイスの月海さんに気をつけて
 それを意に介した様子もなく、話を勝手にすすめる。

「俺の店すぐそこの路地裏ですから。ほら行きますよ」

「まだ行くなんて言ってません! 腕を引っ張らないでください、イケメンさんっ」


 あ……思わず“イケメンさん”って呼んじゃった。引かれちゃったかもしれない……あああ、これ終わっちゃったやつだ。“なにこいつ”とか思われて死んだ魚のような目で見られちゃうやつだ……だってそうでしょう、チャラいイケメンさんくらいしか許してくれないやつでしょ!?


 心の中で謎の雄叫びを上げながら、私はそのまま引きずられていった。


 そこからの記憶は当然なく、私はこれから一体どうなるのだろうか。


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