赤いバイク
わたしは、毎日、庭に水やりをするのが日課だ。


今日は、天気が良い。


顔や腕に心地の良い緩やかな風が、打ちかける。




庭に水をやっていると、エンジン音が聞こえてきた。


「こんにちは。いつも、ありがとう。ご苦労さまです」



「こんにちは。今日は、太陽が気持ちいいですね」


郵便配達員が、言った。



「そうですね」



「どうぞ、郵便物です」



「ありがとう」



「では、また」



「はーい。また」



郵便配達員の男性は、去って行った。













次の日も、天気だった。



わたしは、また、庭で水やりをしていた。


「こんにちは」


郵便配達員だった。


「あ、どうも。こんにちは」



「今日も天気が良いですね」



「そうですね」



「向日葵が、綺麗ですね」


「そうでしょ? とっても綺麗でしょ?」


「はい」


「わたし・・・」


「はい」


「お花の中で、向日葵がいちばん好きなの」


「どうしてですか?」


「見ていると、笑顔になるから」


「そうですか」


「はい」


「とってもお似合いですよ。あなたと向日葵は」


「あら、嬉しいわ」


「これ、今日の郵便物です」


「いつも、ありがとう」


「では、また」


「はい。ご苦労さまです」




わたしは、郵便配達員の言葉で笑顔になった。


その時、庭にやっている水のシャワーに虹が


掛かっていた。


























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