Nightmare of Light.
Ⅹ
「…いーんじゃない?」
試着室を出てすぐ、骨格を引き上げたゆうみが居た。
どこか複雑そうにしながらもドレスアップされた私を見て満足はしているらしい。
この高級ブランド店に私を連れてきてくれたのも、ドレスやアクセサリーを選んでくれたのも、彼だ。
今日は雲雀会にとっても大切な行事のひとつで、たくさんのお偉いさんが集まる親睦会という名のパーティー当日。
「外は寒いかもだけどまあ、そこは耐えて」
スースーする…。
こんな薄い素材で作られた服、破っちゃう怖さのほうが大きいよ。
「あ。足元、ほら段差」
スッと手が差し出されて、まるでお姫様にでもなったような気分だ。
そんな彼も彼でいつもと違うスーツを身にまとい、髪の毛も艶やか。
掻き上げるようにふんわりおでこを見せたへアスタイルは、もしかするとこの人のためにあるものだったりして。