冒険者、ダンジョンを攻略する。~形だけの才能~

才能

才能(スキル)


「リリアン・レイコット!前に出て、水晶へ手をかざせ。」
神官の声が神殿内に響き渡る。
私は少しおびえながら水晶の前までやってきた。

「これは・・・。」


これは、水晶の儀。スキル鑑定とも呼ばれるこの儀式はこの国に住む、
7歳の子供のスキルを調べる儀式。この国に住む子供は、
必ず水晶の儀を受ける義務がある。自分が何のスキルを持っているかで、
将来が決まると言っても過言ではない。


「これは・・・。」
神官がしばらくの間、口を開け固まっている。

すると、
「す、す、素晴らしい!!スキルを13個も持っているぞ!」

スキルの数が多ければ多いほど、貴重な人材であり、国が保護をしている。
どんな、スキルだろう!?

「早く内容を見るのじゃ!」
大神官様の声が響くと、どよめいていた周りの声が鎮まる。
そして・・・

「えっ・・・。なんだこれ・・・」

スキルの詳細を見た神官が、声を上げる。
「大神官様。ご報告いたします。リリアン・レイコット。スキル保有数、13。内容は、」

神殿内の緊張が高まり、皆がゴクリと息をのむ。

私のスキルは、

「すべて、レベル1。保護するレベルのものではありません。」
「どういうことじゃ!説明をしろ!」

「はい。リリアン・レイコット。
スキル:【掃除の達人(クリーナー)】・レベル1
     【植物鑑定(パーフェクトリーフ)】・鑑定数18
     【迷宮探索(マッピング)】・レベル1(探索可能範囲が最大範囲半径5m)
     【魔法使い】・レベル1
     【心の目(アイ)】・レベル1
     【未開放のスキルが8個あります。】
未開放のものもありますが、この様子だと特殊なのが出てくる確率は低いです。」

神殿の空気が一気に変わる。
私に期待を寄せていた皆の目は私を蔑むものに変わっていた。

「リリアン・レイコット、下がりたまえ。」

大神官様に言われおとなしく控室に戻って行く。

控室にはたくさんの子供がいた、皆、期待と絶望それぞれの思いを持って座って居た。
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