義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!
51.バカ女2
≪なんなのよ!なんで私が謝らないといけないの?≫
≪大公殿下の御命令でごさいます≫
≪分かってるわ!お父様の命令じゃなかったらこんなところになんて来ないわよ!だいたい、なに?こっちが下手にでていればいい気になって!大公女の私がこんなに譲歩してやってるのに!!公爵家の子息といっても所詮は男よね。女の事がちっとも分かってないんだわ。まだまだ子供なんだわ。化粧は女の武器よ。鎧とでも言って良いわ。香水だってそう。なのに公爵家の息子は何も分かってない。だから未だに婚約者がいないのよ≫
≪ルーチェ様……≫
≪彼だけじゃないわ。なにこの学校。「廊下は走るな」「遅刻するな」「食堂を陣取るな」。言い返しても「規則ですから」の一点張り。ばっかみたい。これじゃあ学校って言うよりも牢獄の間違いじゃないの?≫
≪学園のルールですので……≫
≪訳の分からないルールが多過ぎるわ。いっそのこと、大公家の力で変えちゃえばいいのに!そもそも、私が最下位クラスなのも納得できないわ。入学試験って何よ。そんな話聞いてなかったわ≫
≪二年程前から始まったようです≫
≪ついてないわ。本来なら最高クラスのはずなのに……≫
その後も書記が対応する直前まで護衛にぶつくさと文句を垂れていた。生徒会室の扉が開き中から書記が出てくると途端に猫を被った笑顔になる。見るからに反省しているようにしおらしく振る舞っている。僕が謝罪に応じないと聞くと、対応した書記に申し訳なさそうな顔つきで「残念ですわ」と頭を下げてその場を去った。もっとも去り際に小さく舌打ちしたのがしっかり音声に残っているので絶対に反省していない事は明白だ。それよりも先ほどから書記の顔色が悪い。ああ、舌打ちは知らなかったみたいだ。可哀想に。
「やれやれ。困ったお姫さまだねぇ~。何様だよ。ああ、大公女様だったね」
生徒会役員の殆どが僕の言葉に苦笑している。書記は真っ青な顔で映像を食い入るように見つめていた。どうやら対応した時の殊勝な態度に騙されていたようだ。女の涙は武器とはよく言ったものだ。あの涙でコロッと騙されたんだろうな。単純だ。
僕は書記に近づくとその肩に手を置いた。
「大丈夫かい?」
ビクッと震えたあと恐る恐る振り返りながら上目遣いで僕の顔を見上げる書記。僕は優しい笑みを作って見せた。
「君は何も悪くないよ。相手の演技に騙されていただけさ。悪いのは全て彼女であって君はむしろ被害者なんだからね」
僕の言葉にようやく安心できたのかホッとした表情を浮かべている。
チョロいな。
こんなんで社交界を渡っていけるんだろうか、この書記。
学園にいる間に女の恐ろしさを勉強しておいてくれ。
まあ、バカ女の本性はこれで分かっただろうから今後は騙されないだろけどね。
≪大公殿下の御命令でごさいます≫
≪分かってるわ!お父様の命令じゃなかったらこんなところになんて来ないわよ!だいたい、なに?こっちが下手にでていればいい気になって!大公女の私がこんなに譲歩してやってるのに!!公爵家の子息といっても所詮は男よね。女の事がちっとも分かってないんだわ。まだまだ子供なんだわ。化粧は女の武器よ。鎧とでも言って良いわ。香水だってそう。なのに公爵家の息子は何も分かってない。だから未だに婚約者がいないのよ≫
≪ルーチェ様……≫
≪彼だけじゃないわ。なにこの学校。「廊下は走るな」「遅刻するな」「食堂を陣取るな」。言い返しても「規則ですから」の一点張り。ばっかみたい。これじゃあ学校って言うよりも牢獄の間違いじゃないの?≫
≪学園のルールですので……≫
≪訳の分からないルールが多過ぎるわ。いっそのこと、大公家の力で変えちゃえばいいのに!そもそも、私が最下位クラスなのも納得できないわ。入学試験って何よ。そんな話聞いてなかったわ≫
≪二年程前から始まったようです≫
≪ついてないわ。本来なら最高クラスのはずなのに……≫
その後も書記が対応する直前まで護衛にぶつくさと文句を垂れていた。生徒会室の扉が開き中から書記が出てくると途端に猫を被った笑顔になる。見るからに反省しているようにしおらしく振る舞っている。僕が謝罪に応じないと聞くと、対応した書記に申し訳なさそうな顔つきで「残念ですわ」と頭を下げてその場を去った。もっとも去り際に小さく舌打ちしたのがしっかり音声に残っているので絶対に反省していない事は明白だ。それよりも先ほどから書記の顔色が悪い。ああ、舌打ちは知らなかったみたいだ。可哀想に。
「やれやれ。困ったお姫さまだねぇ~。何様だよ。ああ、大公女様だったね」
生徒会役員の殆どが僕の言葉に苦笑している。書記は真っ青な顔で映像を食い入るように見つめていた。どうやら対応した時の殊勝な態度に騙されていたようだ。女の涙は武器とはよく言ったものだ。あの涙でコロッと騙されたんだろうな。単純だ。
僕は書記に近づくとその肩に手を置いた。
「大丈夫かい?」
ビクッと震えたあと恐る恐る振り返りながら上目遣いで僕の顔を見上げる書記。僕は優しい笑みを作って見せた。
「君は何も悪くないよ。相手の演技に騙されていただけさ。悪いのは全て彼女であって君はむしろ被害者なんだからね」
僕の言葉にようやく安心できたのかホッとした表情を浮かべている。
チョロいな。
こんなんで社交界を渡っていけるんだろうか、この書記。
学園にいる間に女の恐ろしさを勉強しておいてくれ。
まあ、バカ女の本性はこれで分かっただろうから今後は騙されないだろけどね。