いとこの早月くんは関西弁で本音を言う

01

「えっ……早月(さつき)くんと同居?」



 もうすぐ中学校に入学する頃。お父さんとお母さんからそう言われた。
 
 早月くんは、お父さんのお兄さんの息子さん。つまりいとこ。

 わたしとは同い年で、小さい頃は何度か会ったことがあるみたいだけど、そんな記憶は全然なかった。

 その、早月くんのお父さんがシンガポールに転勤になったけど、早月くんは日本に残りたいと言ったらしいんだ。

 それで、うちに来ることになった……って急すぎない?



「困るよ、そんな、中学生活が始まるっていうだけでもドキドキなのに!」



 わたしはそう言ったけど、もう話はまとまってしまっていたみたいで。

 家の二階、わたしの部屋の隣。

 物置になっていたところを、早月くんの部屋にすることまで決まっていて。

 あれよあれよという間に、準備は整ってしまったのだ。
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