いとこの早月くんは関西弁で本音を言う

11

 ゴールデンウィークがやってきた。

 中学生になったんだし、今までより遠くにお出かけしてもいいよってお父さんとお母さんに言われたから、真凛とショッピングモールに行くことにしたんだ。



「真凛、待った?」

「ううん、今来たとこ!」



 電車に乗って、目的の駅へ。祝日ということもあって、人がいっぱいだ。

 まずはお目当ての喫茶店に行った。ここのケーキセットが美味しくて可愛いって真凛が調べてきてくれたのだ。



「ねえ美奈、どれにする? あたしは断然ショートケーキかな!」

「すっごく種類あるよ、どうしよう……」


 散々迷って、わたしもショートケーキにした。同じものを注文した方が、味の感想とかを共有できていいと思ったのだ。

 ショートケーキには、大きなイチゴとふわふわのホイップクリームが乗っていた。

 まずは写真撮影。SNSをやっていたら、アップしたいけど、スマホのルール決めの時にそれはやっちゃダメって言われていたから我慢。

 あーあ、早く高校生になりたいかも。そうしたら、もっと自由なのに。



「真凛、甘くてとろけるけど、イチゴの酸っぱさがアクセントになってて絶品だね!」

「美奈ったら、食レポ上手だねぇ」

「甘いものは大好きなんだもん……」



 話は生徒会のことになった。

 六月の体育祭の準備がそろそろあるらしいのだ。

 真凛が言った。



「西条先輩って、さすが生徒会長なだけあって、二年生の中では成績もトップなんだって!」

「へぇ……」

「それで、二番目が江東先輩。二人はライバルでもあるみたいだよ?」

「なんか、凄い人たちと一緒になっちゃったね」



 先輩たちのことは、まだよく知らないけれど、わたしと真凛にとても優しく接してくれる。

 他にも、二年生の先輩たちとお話することがあって、わたしも少しずつ上級生と会話をすることに慣れてきた。



「美奈、この後は雑貨屋さん行こう!」

「うん、いいよ!」



 雑貨屋さんで、真凛が手に取ったのは、アニメキャラクターの缶バッヂだった。

 今、大人気なんだけど、わたしはアニメ自体は観たことがなくて、キャラクターの名前だけは知っていた。



「美奈、お揃いで買わない? 指定のリュックにつけようよ!」

「わたしも、何かつけたいと思ってたことなんだ。いいよ」



 こうして、友達とお揃いの物ができるって嬉しい。

 真凛とは、これからも仲良くしたいなって思った。
< 11 / 40 >

この作品をシェア

pagetop