いとこの早月くんは関西弁で本音を言う
13
早月くんが生徒会に入ったことで、大きな動きが出た。
今まで帰宅部だった一年生の女の子たちが、こぞって生徒会にやってきたのだ。
あからさまに、早月くん目当てだっていうのはわかるんだけど。
西条先輩は、人手が増えることはいいことだから、と笑っていた。
そして、早月くんにどんどん踏み込んでいくのは、やっぱり真凛だった。
校内備品のチェックリストを作り終えて、暇になった時、真凛はすかさず早月くんに質問した。
「早月くんって、どんな子がタイプなの?」
「ええっ? タイプとか、特にないかも」
「じゃあ芸能人では誰が好き?」
「あまりテレビとか動画とか観ないから、わかんないんだよね」
他の女の子たちが、聞き耳を立てているのがありありとわかる。
けど、早月くんはどんどん真凛の攻撃をかわしていく。
そして、早月くんは先に帰ってしまった。
「あーあ、早月くんってガード固いなぁ。なんにもわからなかったよ」
「真凛って、どうしてそんなに早月くんのこと知りたいの?」
「だって、気になるじゃない? 校内一のイケメンが誰と付き合うか!」
「真凛自身は早月くんと付き合いたいとは思わないの?」
「うん、それは解釈違い。誰かと結ばれたのを推したい!」
真凛は時々、よくわからないことを言う……。
「あたしとしては、美奈が早月くんと付き合ったら素敵だと思うんだけどなぁ!」
「そんなことにならないよ、絶対」
「早月くんになら美奈のこと任せられる、って思ってるんだよね」
「だから、そうならないってば」
真凛ったら……わたしの保護者?
まあ、校外合宿の時も自販機まで連れて行ってもらったりなんかして、世話をかけている自覚はあるけど。
帰ってから、夕飯までの間、わたしはリビングで早月くんと話した。
「なんか、ごめんね? 真凛が変な質問ばっかりして」
「ええよ、慣れとうし」
「そうなんだ?」
「小学生の頃も、あれこれ聞かれること多かったから。まあ、適当にするし、美奈ちゃんは心配せんでもええよ」
キッチンに立っていたお母さんが叫んだ。
「二人とも、お皿並べるの手伝って!」
わたしと早月くんで、四人分の食器を出した。
こうするのが日課になってきて、すっかり早月くんは家族になったんだなぁ、という気がする。
うっかり家でのことを学校で話さないよう注意しないと、なんて気を引き締める私だった。
今まで帰宅部だった一年生の女の子たちが、こぞって生徒会にやってきたのだ。
あからさまに、早月くん目当てだっていうのはわかるんだけど。
西条先輩は、人手が増えることはいいことだから、と笑っていた。
そして、早月くんにどんどん踏み込んでいくのは、やっぱり真凛だった。
校内備品のチェックリストを作り終えて、暇になった時、真凛はすかさず早月くんに質問した。
「早月くんって、どんな子がタイプなの?」
「ええっ? タイプとか、特にないかも」
「じゃあ芸能人では誰が好き?」
「あまりテレビとか動画とか観ないから、わかんないんだよね」
他の女の子たちが、聞き耳を立てているのがありありとわかる。
けど、早月くんはどんどん真凛の攻撃をかわしていく。
そして、早月くんは先に帰ってしまった。
「あーあ、早月くんってガード固いなぁ。なんにもわからなかったよ」
「真凛って、どうしてそんなに早月くんのこと知りたいの?」
「だって、気になるじゃない? 校内一のイケメンが誰と付き合うか!」
「真凛自身は早月くんと付き合いたいとは思わないの?」
「うん、それは解釈違い。誰かと結ばれたのを推したい!」
真凛は時々、よくわからないことを言う……。
「あたしとしては、美奈が早月くんと付き合ったら素敵だと思うんだけどなぁ!」
「そんなことにならないよ、絶対」
「早月くんになら美奈のこと任せられる、って思ってるんだよね」
「だから、そうならないってば」
真凛ったら……わたしの保護者?
まあ、校外合宿の時も自販機まで連れて行ってもらったりなんかして、世話をかけている自覚はあるけど。
帰ってから、夕飯までの間、わたしはリビングで早月くんと話した。
「なんか、ごめんね? 真凛が変な質問ばっかりして」
「ええよ、慣れとうし」
「そうなんだ?」
「小学生の頃も、あれこれ聞かれること多かったから。まあ、適当にするし、美奈ちゃんは心配せんでもええよ」
キッチンに立っていたお母さんが叫んだ。
「二人とも、お皿並べるの手伝って!」
わたしと早月くんで、四人分の食器を出した。
こうするのが日課になってきて、すっかり早月くんは家族になったんだなぁ、という気がする。
うっかり家でのことを学校で話さないよう注意しないと、なんて気を引き締める私だった。