いとこの早月くんは関西弁で本音を言う
19
テスト期間がやってきた。
わたしは周りに人がいると集中できないから、自分の部屋にこもった。
けれど、時々部屋のちょっとした様子が気になって、ノートを置く位置を変えてみたりなんかして。
うーん、これじゃダメダメ!
何か飲んで一息つこう、とキッチンへ行った。
「おう、美奈ちゃん」
「あっ、早月くん」
見ると、早月くんはドリップコーヒーを作っているところだった。
「早月くんってコーヒー飲めるんだ?」
「ミルクと砂糖入れなあかんけどな。美奈ちゃんも飲みもんかぁ?」
「うん。確かお母さんがいちごミルク買っててくれたよねって思って」
ソファに移動して、飲み物を飲みながら、それぞれの進み具合を報告した。
「わたし、英語が苦手。早月くんは?」
「俺は好きやで。っていうか、将来は英語使う仕事したいし」
「そこまで考えてるんだ。凄いね……」
部屋に戻ってから、ふと思った。
英語の勉強をしたいんだったら、伯父さんと伯母さんと一緒にシンガポールに行けばよかったんじゃないかな……?
うーん。また一つ、謎が増えてしまった。
早月くんが考えてること、やっぱりよくわからないよ。
そして、テスト本番。
精一杯やったつもり。
けど、自己採点をしてみると本当にボロボロで。
教室の机に突っ伏していると、真凛に笑われた。
「美奈ぁ、大丈夫?」
「全然できなかった……」
「まあまあ、中学入って最初のテストだし? そんなに気にすることないって!」
テスト結果が貼り出される日は、少し遅れてしまって、真凛と一緒に人混みをかきわけて見てみたら。
一位、鈴木早月……!
しかも、どの教科も満点に近い!
わたしは、上から数えた方が早くはあったけど、真ん中らへんだった。
周りの子たちは早月くんの話ばかりをしていた。
「あんなにイケメンで、運動もできるのに、勉強もできるなんて!」
「マジ完璧だよね。早月くんって」
真凛もこんなことを言い始めた。
「やっぱり美奈の相手は早月くんがいいと思うんだよね。うんうん。将来安泰だし、絶対いい旦那さんになるよ?」
「もう、真凛!」
真凛はそんなことを言うけれど……。
わたしは、早月くんとの差がハッキリしたように感じた。
いとこなのに。いとこだから。
近くて、遠い。
早月くんは、こんなわたしが仲良くしてもいい人なの……?
わたしは周りに人がいると集中できないから、自分の部屋にこもった。
けれど、時々部屋のちょっとした様子が気になって、ノートを置く位置を変えてみたりなんかして。
うーん、これじゃダメダメ!
何か飲んで一息つこう、とキッチンへ行った。
「おう、美奈ちゃん」
「あっ、早月くん」
見ると、早月くんはドリップコーヒーを作っているところだった。
「早月くんってコーヒー飲めるんだ?」
「ミルクと砂糖入れなあかんけどな。美奈ちゃんも飲みもんかぁ?」
「うん。確かお母さんがいちごミルク買っててくれたよねって思って」
ソファに移動して、飲み物を飲みながら、それぞれの進み具合を報告した。
「わたし、英語が苦手。早月くんは?」
「俺は好きやで。っていうか、将来は英語使う仕事したいし」
「そこまで考えてるんだ。凄いね……」
部屋に戻ってから、ふと思った。
英語の勉強をしたいんだったら、伯父さんと伯母さんと一緒にシンガポールに行けばよかったんじゃないかな……?
うーん。また一つ、謎が増えてしまった。
早月くんが考えてること、やっぱりよくわからないよ。
そして、テスト本番。
精一杯やったつもり。
けど、自己採点をしてみると本当にボロボロで。
教室の机に突っ伏していると、真凛に笑われた。
「美奈ぁ、大丈夫?」
「全然できなかった……」
「まあまあ、中学入って最初のテストだし? そんなに気にすることないって!」
テスト結果が貼り出される日は、少し遅れてしまって、真凛と一緒に人混みをかきわけて見てみたら。
一位、鈴木早月……!
しかも、どの教科も満点に近い!
わたしは、上から数えた方が早くはあったけど、真ん中らへんだった。
周りの子たちは早月くんの話ばかりをしていた。
「あんなにイケメンで、運動もできるのに、勉強もできるなんて!」
「マジ完璧だよね。早月くんって」
真凛もこんなことを言い始めた。
「やっぱり美奈の相手は早月くんがいいと思うんだよね。うんうん。将来安泰だし、絶対いい旦那さんになるよ?」
「もう、真凛!」
真凛はそんなことを言うけれど……。
わたしは、早月くんとの差がハッキリしたように感じた。
いとこなのに。いとこだから。
近くて、遠い。
早月くんは、こんなわたしが仲良くしてもいい人なの……?