いとこの早月くんは関西弁で本音を言う
37
西条先輩と江東先輩。
真凛が言うには、西条先輩の方から「僕たち付き合ったんだ」と二年生の教室で宣言したらしい。
その噂を早速捕まえているのだから、さすが真凛というか、何というか。
でも、それ以上詳しい話はわからないみたい。
真凛が他の子にその話をしている間にスマホを見ると、なんと江東先輩からメッセージがきていた。
「西条くんとのこと、気になるよね。時間あったら放課後お話ししよう」
わたしはもちろん、よろしくお願いしますと送った。
放課後、江東先輩と、駅前の喫茶店に行った。
「美奈ちゃん、どれでも好きなの選んでいいよ。今回は私のおごり」
「じゃあ……ミルクティーで」
江東先輩は、単刀直入に話し始めた。
「私ね。西条くんが、美奈ちゃんのことが好きなこととか、告白してフラれたこととか、全部知ってたんだ」
「そ、そうだったんですか」
「西条くんは、私のこといい相談相手だと思ってたみたいで。全部聞いてたの。それが……文化祭で仕事をしている時かな。やっぱり私といるのが落ち着く、って言ってくれて……」
「それで……」
「こんなに近くに可愛い女の子がいること気づかなかった、ごめんって。私、笑っちゃった」
「わぁっ……!」
凄い、西条先輩からの告白だったんだ!
「私、西条くんのことはすっかり諦めてたんだよね。でも、好きでいてよかった。私の存在、気づいてくれた」
「江東先輩、おめでとうございます」
「気持ちは隠しておこうと思ってたんだけどね。素直に好き、って言えるって……いいことだね」
そう言ってはにかむ江東先輩は、いつもに増して綺麗に見えた。
そして、話はわたしのことになった。
「で、美奈ちゃんは早月くんのこと好きなんだよね?」
「あっ……西条先輩から聞いちゃいました?」
「ううん。見てたらわかった。女の勘ってやつ?」
「わ、わわっ」
「どうするの?」
「どうしましょう……」
ミルクティーに視線を落とした。江東先輩にもこの気持ちがバレているということは、本人に届いてしまうのは時間の問題かもしれない。
「結果論だけど」
江東先輩が語りだした。
「私は、自分の気持ちを伝えてよかった。このまま卒業したらきっと後悔してた。でもね、決めるのは美奈ちゃん次第だよ。私と美奈ちゃんは別々の人間だから」
「そう、ですよね……」
伝えるか、伝えないか。
きちんと答えを出すべき時がきたのだ。
真凛が言うには、西条先輩の方から「僕たち付き合ったんだ」と二年生の教室で宣言したらしい。
その噂を早速捕まえているのだから、さすが真凛というか、何というか。
でも、それ以上詳しい話はわからないみたい。
真凛が他の子にその話をしている間にスマホを見ると、なんと江東先輩からメッセージがきていた。
「西条くんとのこと、気になるよね。時間あったら放課後お話ししよう」
わたしはもちろん、よろしくお願いしますと送った。
放課後、江東先輩と、駅前の喫茶店に行った。
「美奈ちゃん、どれでも好きなの選んでいいよ。今回は私のおごり」
「じゃあ……ミルクティーで」
江東先輩は、単刀直入に話し始めた。
「私ね。西条くんが、美奈ちゃんのことが好きなこととか、告白してフラれたこととか、全部知ってたんだ」
「そ、そうだったんですか」
「西条くんは、私のこといい相談相手だと思ってたみたいで。全部聞いてたの。それが……文化祭で仕事をしている時かな。やっぱり私といるのが落ち着く、って言ってくれて……」
「それで……」
「こんなに近くに可愛い女の子がいること気づかなかった、ごめんって。私、笑っちゃった」
「わぁっ……!」
凄い、西条先輩からの告白だったんだ!
「私、西条くんのことはすっかり諦めてたんだよね。でも、好きでいてよかった。私の存在、気づいてくれた」
「江東先輩、おめでとうございます」
「気持ちは隠しておこうと思ってたんだけどね。素直に好き、って言えるって……いいことだね」
そう言ってはにかむ江東先輩は、いつもに増して綺麗に見えた。
そして、話はわたしのことになった。
「で、美奈ちゃんは早月くんのこと好きなんだよね?」
「あっ……西条先輩から聞いちゃいました?」
「ううん。見てたらわかった。女の勘ってやつ?」
「わ、わわっ」
「どうするの?」
「どうしましょう……」
ミルクティーに視線を落とした。江東先輩にもこの気持ちがバレているということは、本人に届いてしまうのは時間の問題かもしれない。
「結果論だけど」
江東先輩が語りだした。
「私は、自分の気持ちを伝えてよかった。このまま卒業したらきっと後悔してた。でもね、決めるのは美奈ちゃん次第だよ。私と美奈ちゃんは別々の人間だから」
「そう、ですよね……」
伝えるか、伝えないか。
きちんと答えを出すべき時がきたのだ。