いとこの早月くんは関西弁で本音を言う

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 あれから、西条先輩と江東先輩は、公認カップルとして注目された。

 一緒にお弁当を食べたり、登下校をしたりと、本当に仲がいいみたいだ。

 真凛から流れてくる二人の様子を聞くにつれて、わたしにはどんどん欲張りな気持ちが芽生えてきた。

 わたしも、早月くんとそういうことをしたい。

 家の外でも遠慮せずに二人で話したい。

 テスト期間になって、頭をそちらに切り替える必要はあったけど、心の中には常に早月くんの存在があった。

 テスト結果は、一学期よりもまあ、できたかな、という程度。

 相変わらず平凡で、何の取り柄はないわたしだけど。

 勇気だけはふり絞ってみよう。

 そう思って、寝る前に早月くんの部屋の扉をノックした。



「美奈だよ。入っていい?」

「うん! ええよ!」



 早月くんはベッドに寝転んで、小説を読んでいたみたいで、文庫本が枕元に置かれていた。

 わたしが部屋に入ると、早月くんはベッドに腰かけて、わたしの分の隙間を空けてくれた。



「あのね、早月くん。クリスマスイブの予定って、ある?」

「ううん、特にないで。どうしたん?」

「その……ツリー見に行かない? その後ケーキ食べたり、とか」



 これが、わたしがずっと考えていた誘い文句だった。

 どうかな。断られたら、それはそれまでだなぁ。



「うん! ええで! 美奈ちゃんと出かけられるの、嬉しいなぁ」

「良かったぁ。じゃあ、お昼ご飯の後に行くのはどう?」

「そうしよかぁ」



 さ、誘えた! オッケーしてくれた!

 次は、服決めだ……!

 これは真凛の手を借りることにして、クリスマスイブの直前に、ショッピングモールに来てもらった。



「何、何? 美奈ったら、いきなり服選んでほしいってさぁ」

「その……ね? クリスマスイブに、早月くんに告白しようと思って」

「あー! やっぱり美奈、早月くんのこと好きだったんじゃない!」



 パシン、と肩を叩かれてしまった。痛い。



「よーし! 真凛さんに任せなさい! 美奈に一番映えるコーデ、探してみせるから!」

「お願いね、真凛!」



 その日は服屋さんを巡って、色々着替えてみて、いわゆる「勝負服」が決まった。
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