ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
「ううん、気持ちだけですげぇ嬉しい。ありがとな」
結くんの目を真っ直ぐ見つめて私は言った。
「では、また別の日にちゃんとお祝いさせて下さい」
薬指についていた指輪はくるみさんに取られたまま。ずっと薬指がすーすーしてすごく寂しかった。
でもその時────
「楽しみにしてる」
それを知ってか知らずか。
左手を優しく包み込まれるように握られて。
それだけで。
今日1日の怖い思いが、遠いどこかへ吹き飛んでいく気がした。
結くんの目を真っ直ぐ見つめて私は言った。
「では、また別の日にちゃんとお祝いさせて下さい」
薬指についていた指輪はくるみさんに取られたまま。ずっと薬指がすーすーしてすごく寂しかった。
でもその時────
「楽しみにしてる」
それを知ってか知らずか。
左手を優しく包み込まれるように握られて。
それだけで。
今日1日の怖い思いが、遠いどこかへ吹き飛んでいく気がした。