ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
医者は心臓病がどうとかごちゃごちゃ言ってたけど、そんなん手術すりゃ治るんだろ程度に考えていた。
いくら掛かるのか、とか。
そんなん全額俺が出すからな、とか。
毎日見舞いくるからな、とか。
この時の俺は能天気にそんなことばかり考えていた。
その日。病気のことを小桃に面と向かって聞くのは躊躇われ、あまり触れなかった。くるみのことで怖い思いをさせたばかり。今はゆっくり休んでいて欲しかったのだ。
だからその翌日。
小桃が病室で眠っている間。
まだ明確な検査結果は出ていないが俺は担当医に小桃の病気について聞きに行っていた。
「率直に言いますとかなり危険な状態です」
「危険…?」
”早く手術して治してやってくれ”
そう言うつもりだった。
でもどうやらそういう問題ではないらしい。
「小桃、助かるんだよな?」
個室で医者と向かい合いながら俺は尋ねた。医者は小難しそうな顔をしている。
そして言いずらそうに口を開いた。
「数年前の事になりますが当院では、小桃さんに心臓移植を進めました」
「移植……」
「どんな手術にもリスクは付きものですが、心臓移植は中でもリスクが高いものです。そして。小桃さんは手術に耐えられる免疫、そして体力がありません。要するに手術の成功率が非常に低いんです」
そこで1度言葉を止めたかと思えば、またすぐ手元の資料に視線を落としながら続けた。
いくら掛かるのか、とか。
そんなん全額俺が出すからな、とか。
毎日見舞いくるからな、とか。
この時の俺は能天気にそんなことばかり考えていた。
その日。病気のことを小桃に面と向かって聞くのは躊躇われ、あまり触れなかった。くるみのことで怖い思いをさせたばかり。今はゆっくり休んでいて欲しかったのだ。
だからその翌日。
小桃が病室で眠っている間。
まだ明確な検査結果は出ていないが俺は担当医に小桃の病気について聞きに行っていた。
「率直に言いますとかなり危険な状態です」
「危険…?」
”早く手術して治してやってくれ”
そう言うつもりだった。
でもどうやらそういう問題ではないらしい。
「小桃、助かるんだよな?」
個室で医者と向かい合いながら俺は尋ねた。医者は小難しそうな顔をしている。
そして言いずらそうに口を開いた。
「数年前の事になりますが当院では、小桃さんに心臓移植を進めました」
「移植……」
「どんな手術にもリスクは付きものですが、心臓移植は中でもリスクが高いものです。そして。小桃さんは手術に耐えられる免疫、そして体力がありません。要するに手術の成功率が非常に低いんです」
そこで1度言葉を止めたかと思えば、またすぐ手元の資料に視線を落としながら続けた。