ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
病気のこと。
病室で大泣きしたあの日以来、結くんは何も聞いてこない。でも、向き合わない、という訳にはきっといかない。否応でも病気は…、私の身体を蝕んでいくばかりなのだから。
────その日。
検査結果が出て先生からお話があった。
隣には結くんがいてくれている。
一緒に聞く、と言ってくれたのだ。
「正直、容態はかなり悪いです。いつ心臓が止まってもおかしくない」
「そう、ですか…」
「このまま入院して頂きます」
「…」
先生の言葉は私の胸に重くのしかかるものだった。先生は明確には言わなかったけど、その言葉の前にはきっと”死ぬまで”って言葉がつく。
─死ぬまでこのまま入院して頂きます─
私にとってそれは絶望と同じ。全ての終わりを意味しているかのような言葉だった。
もう…、結くんと過ごしたあの家には帰れない。
でも、覚悟はしてた。
死への覚悟は出来ているつもり。
でも…今の私にはどうしてもやりたいことがある。死にたくない、理由がある。
「あの、先生…」
私は意を決して尋ねた。
「来月の2月2日…。その日は、外出の許可を頂きたいです」
先生は困ったように手元のパソコンに視線を移す。その表情でなんとなく考えていることは分かってしまうけど、これは譲れない。
「お願いします」
病室で大泣きしたあの日以来、結くんは何も聞いてこない。でも、向き合わない、という訳にはきっといかない。否応でも病気は…、私の身体を蝕んでいくばかりなのだから。
────その日。
検査結果が出て先生からお話があった。
隣には結くんがいてくれている。
一緒に聞く、と言ってくれたのだ。
「正直、容態はかなり悪いです。いつ心臓が止まってもおかしくない」
「そう、ですか…」
「このまま入院して頂きます」
「…」
先生の言葉は私の胸に重くのしかかるものだった。先生は明確には言わなかったけど、その言葉の前にはきっと”死ぬまで”って言葉がつく。
─死ぬまでこのまま入院して頂きます─
私にとってそれは絶望と同じ。全ての終わりを意味しているかのような言葉だった。
もう…、結くんと過ごしたあの家には帰れない。
でも、覚悟はしてた。
死への覚悟は出来ているつもり。
でも…今の私にはどうしてもやりたいことがある。死にたくない、理由がある。
「あの、先生…」
私は意を決して尋ねた。
「来月の2月2日…。その日は、外出の許可を頂きたいです」
先生は困ったように手元のパソコンに視線を移す。その表情でなんとなく考えていることは分かってしまうけど、これは譲れない。
「お願いします」