ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
「あのさ」

笑顔で頷くと横からくるみさんが腕を組んで「そういうのあたしの前でやる?」って眉間にシワを寄せていた。

でももう怒ってる、って感じではなくて、‪”‬やれやれ‪”‬というような呆れを含んだ目をしていた。

***

病院にいたら白にばかり染まってしまいそうだけど、結くんや真柴さん。

そして友達になったあの日以来、くるみさんも。入れ代わり立ち代わりでお見舞いに来てくれるから心はどんどん色鮮やかになっていくばかり。

生まれて初めての友達。

くるみさんに、対する‪”‬怖い‪”‬って印象は今ではもうすっかりなくなっていた。

普通の女の子がやるような恋バナをしたり、いろんな話をした。コスメについてもよく話すけれどその話題に関しては私がくるみさんに一方的に教えてもらうだけ。

あとは軽くメイクしてもらったり。日に日に仲良くなっていく関係性がとても心地良かった。

そして、今私の首元にはキラリと光るものが付けられている。

あれから結くんがチェーンを買って来てくれて、作ってくれた。

普段アクセサリーは全くと言っていいほど付けないから最初は少しモゾモゾして違和感があった。

でも、ちょうど心臓の辺りにユラユラと当たるからいつもパワーを貰っている。
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