ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
幸せな時間
病室のカレンダーを看護師さんがペリッ、と1枚剥がすのをぼんやりと見ていた。
────今日は2月1日。
結婚式を予定している2月2日は、明日に迫っていた。
最近の私の体調は割と安定していて、無事退院許可は下りた。と言ってもまだ予断を許さない状況であることには変わりない。無理せず、と先生から何度も説明を受けた。
前々から退院許可は1泊2日お願いしていた。
きっと私にとってこれが最後の外の世界。
だから結婚式前夜は、あのマンションで結くんと眠りたい。そう思ったのだ。
***
「何かあったら無理せず、すぐに連絡するように。危険な状態には変わりないんだから」
「はい。ありがとうございます」
街に5時を知らせるチャイムが響いた頃。
先生と看護師さんに見送られながら、私は結くんと一緒に病院を出た。
みんな、すごく心配そうに眉を下げて私を見るけど、自分でも不思議な程、今現在の体調は良かった。
まるで結婚式を後押ししてくれているみたいだ。
結くんと一緒に真柴さんの車に乗り込む。
はぁ、と息を吐き出せば白いモヤがふわふわと漂うほどに今日の気温は寒いけれど、結くんと繋がっている右手は場違いにポカポカしていた。
「体調は平気か」
結くんが私の乱れた髪をサッ、と治しながら聞いてきた。
「はい…っ、平気です」
────今日は2月1日。
結婚式を予定している2月2日は、明日に迫っていた。
最近の私の体調は割と安定していて、無事退院許可は下りた。と言ってもまだ予断を許さない状況であることには変わりない。無理せず、と先生から何度も説明を受けた。
前々から退院許可は1泊2日お願いしていた。
きっと私にとってこれが最後の外の世界。
だから結婚式前夜は、あのマンションで結くんと眠りたい。そう思ったのだ。
***
「何かあったら無理せず、すぐに連絡するように。危険な状態には変わりないんだから」
「はい。ありがとうございます」
街に5時を知らせるチャイムが響いた頃。
先生と看護師さんに見送られながら、私は結くんと一緒に病院を出た。
みんな、すごく心配そうに眉を下げて私を見るけど、自分でも不思議な程、今現在の体調は良かった。
まるで結婚式を後押ししてくれているみたいだ。
結くんと一緒に真柴さんの車に乗り込む。
はぁ、と息を吐き出せば白いモヤがふわふわと漂うほどに今日の気温は寒いけれど、結くんと繋がっている右手は場違いにポカポカしていた。
「体調は平気か」
結くんが私の乱れた髪をサッ、と治しながら聞いてきた。
「はい…っ、平気です」