ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
喉の奥がキュッ、と締まる。結くんの緊張が伝わって、私も緊張してしまっているのかもしれない。
「久しぶりだな、結」
組長はくるり、と回転式の椅子の向きを変えて、こちらに向き直った。
またも結くんの後に続いて恐る恐る顔を上げる。するとサングラスをかけた男性と目が合った。いや、実際には目が合っているかは定かでは無いけれど食い入るようにこちらを見ていることだけは確かだ。
「遅れて申し訳ありません」
「構わん。この子か」
「はい」
結くんと短い会話を終えた組長が立ち上がって1歩1歩と私に近付いてくる。
なんだか怖くて、いつの間にか涙目になってしまっていた。正直あと1分ここにいたらヘナヘナと地面に倒れてしまいそうな程、この空間には緊張感があって、とてもじゃないけど結くんと手を繋いでいなかったら立っていられない。
横から結くんがハッキリとした口調で告げた。
「明日。彼女と結婚します」
「…っ」
「そうか」
私の顔を見飽きたのか、また戻って椅子に腰掛ける組長さん。間髪おかずにこう言った。
「可愛い子じゃないか」
「はい。可愛い子です」
「…っ」
2人が私のことですごく真剣に話している。
でもそんな真顔でやり取りする話題じゃないですよ……。私可愛くないですよ……。と、なんだか恥ずかしくなって背を縮めた。
「久しぶりだな、結」
組長はくるり、と回転式の椅子の向きを変えて、こちらに向き直った。
またも結くんの後に続いて恐る恐る顔を上げる。するとサングラスをかけた男性と目が合った。いや、実際には目が合っているかは定かでは無いけれど食い入るようにこちらを見ていることだけは確かだ。
「遅れて申し訳ありません」
「構わん。この子か」
「はい」
結くんと短い会話を終えた組長が立ち上がって1歩1歩と私に近付いてくる。
なんだか怖くて、いつの間にか涙目になってしまっていた。正直あと1分ここにいたらヘナヘナと地面に倒れてしまいそうな程、この空間には緊張感があって、とてもじゃないけど結くんと手を繋いでいなかったら立っていられない。
横から結くんがハッキリとした口調で告げた。
「明日。彼女と結婚します」
「…っ」
「そうか」
私の顔を見飽きたのか、また戻って椅子に腰掛ける組長さん。間髪おかずにこう言った。
「可愛い子じゃないか」
「はい。可愛い子です」
「…っ」
2人が私のことですごく真剣に話している。
でもそんな真顔でやり取りする話題じゃないですよ……。私可愛くないですよ……。と、なんだか恥ずかしくなって背を縮めた。