ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
「…っ」
その言葉を聞いた時。
今までずっと私が持ってきた価値観がどんなものなのか、客観的に思い知らされた気がした。
「だとしたら俺は痔持ちだ。あと腰痛持ち。あと……」
「右奥から2番目の歯が虫歯です。来月治療予定です」
お付きの方が横から囁く。
「そうだ、虫歯もか。うんざりするな、ったく……」
軽くため息を吐いたかと思えば、組長さんは「小桃さん」と、もう1度私の方に向き直った。
「俺なんか疾患だらけだ。でも幸せになるな、なんて誰も言わない。もし言われれば俺はぶち殺す」
全然冗談に聞こえない言葉を組長さんはいとも簡単に言ってのける。
「誰がなんと言おうと生きたいように、生きたらいいんだよ」
多分それは、私の人生においてすごく大切な言葉。心にダイレクトに響く言葉だった。
「ゆっくりしててってなー、小桃さん」
「ありがとうございます…っ」
手をヒラヒラと振って去っていく組長さん。
もう一度心の中でお礼を言って組長さんが出ていった方角に深々と頭を下げた。
その言葉を聞いた時。
今までずっと私が持ってきた価値観がどんなものなのか、客観的に思い知らされた気がした。
「だとしたら俺は痔持ちだ。あと腰痛持ち。あと……」
「右奥から2番目の歯が虫歯です。来月治療予定です」
お付きの方が横から囁く。
「そうだ、虫歯もか。うんざりするな、ったく……」
軽くため息を吐いたかと思えば、組長さんは「小桃さん」と、もう1度私の方に向き直った。
「俺なんか疾患だらけだ。でも幸せになるな、なんて誰も言わない。もし言われれば俺はぶち殺す」
全然冗談に聞こえない言葉を組長さんはいとも簡単に言ってのける。
「誰がなんと言おうと生きたいように、生きたらいいんだよ」
多分それは、私の人生においてすごく大切な言葉。心にダイレクトに響く言葉だった。
「ゆっくりしててってなー、小桃さん」
「ありがとうございます…っ」
手をヒラヒラと振って去っていく組長さん。
もう一度心の中でお礼を言って組長さんが出ていった方角に深々と頭を下げた。