ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
懐かしい、と呼ぶにはまだ早いかもしれないけど、でもやっぱり懐かしい気持ちになった。
時刻はもうすぐ18時を回ろうとしている。
「あっ、もうこんな時間ですね…っ、私ご飯の支度を────」
「…っ」
後ろからふわり、と覆い被さるようにして抱きしめられて思考が停止する。
首元に回された結くんの腕に、引き寄せられるように手を添えた。
「おかえり」
耳元で囁かれるように落とされる好きな人の声。
「…っ」
そのセリフを誰かに言われる日がくるなんて。
1年前の自分は思いもしなかった。
自分の帰りを待ってくれている人がこの世にいる、ってなんて嬉しいことなんだろう。
「ただいま、です…」
初めて言うセリフだからまだ言い慣れない。
結くんはいつも私にたくさんの”はじめて”をくれる。
「俺もやる、って。これ切ればいいの?」
「いやっ、大丈夫です! ソファに座っててください…っ」
「でも…」
また何か言いかけた結くんの背中を押して、私はソファまで誘導した。
「今日は結くんの誕生日のお祝いをしたいんです。出来てからのお楽しみです」
「そう、なのか…、分かった」
少し不服そうな顔をしたものの、ちゃんとソファに腰掛けて待っていてくれる結くん。
時刻はもうすぐ18時を回ろうとしている。
「あっ、もうこんな時間ですね…っ、私ご飯の支度を────」
「…っ」
後ろからふわり、と覆い被さるようにして抱きしめられて思考が停止する。
首元に回された結くんの腕に、引き寄せられるように手を添えた。
「おかえり」
耳元で囁かれるように落とされる好きな人の声。
「…っ」
そのセリフを誰かに言われる日がくるなんて。
1年前の自分は思いもしなかった。
自分の帰りを待ってくれている人がこの世にいる、ってなんて嬉しいことなんだろう。
「ただいま、です…」
初めて言うセリフだからまだ言い慣れない。
結くんはいつも私にたくさんの”はじめて”をくれる。
「俺もやる、って。これ切ればいいの?」
「いやっ、大丈夫です! ソファに座っててください…っ」
「でも…」
また何か言いかけた結くんの背中を押して、私はソファまで誘導した。
「今日は結くんの誕生日のお祝いをしたいんです。出来てからのお楽しみです」
「そう、なのか…、分かった」
少し不服そうな顔をしたものの、ちゃんとソファに腰掛けて待っていてくれる結くん。