ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
「サナもおおきくなったらももちゃんみたいにかわいいおねぇさんになる!」

「ふふっ、サナちゃんならきっと素敵なお姉さんになれるっ」

「うん!」

「サナがけっこんするときはももちゃんみにきてねっ!」

「…、うんっ。行くね」

……行きたかったなぁ。

係の人に呼ばれてそこでみんなとは別れた。

「もうすぐ始まります。こちらでお待ち下さい。新郎様がお待ちです」

「はい」

そうして通された場所。扉が開けられて、その先にいたのは…

タキシードに身を包んだ結くんがいた。

「……かっ」

思わず声が漏れそうになって慌てて口に手を当てた。思わず息を飲んでしまう。

目が離せない。

結くんもウェディングドレスに身を包んだ私をじっ、と見つめていて。そして一言。

「綺麗だ」

ふわっ、と顔を綻ばせたかと思ったらそう言ってくれた。

「……っ、あっ、ありがとうございます」

結くんがくれる言葉はいつも魔法みたいです。

ドキドキさせられっぱなし。

高鳴る鼓動が胸にあって、今にも心臓が止まっちゃわないか心配になる。

「結くんも、あの…すごく……」

さっきは飲み込んだ言葉。

それを私は口に出そうとしていた。

「ん?」

「……すごく、かっこいい…です」
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