ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
本当のことなのに、間髪置かずに舌打ちされてしまう。
「ほん、とです……っ、ほんとに…わたし、なにも……、、」
私は何も知らない。
もう何度もそう言ったけど、一向に理解してくれない。私が嘘をついてる、って思われてしまっているみたい。
「なにも……、知ら、、ら…」
極度の緊張状態がずっと続いているせいか、もうだんだんと呂律が回らなくなっていく。
そんな私に痺れを切らしたのか、彼が突き放したように言う。
「吐かねぇなら今すぐこの腹かっさばいて、臓器全部売り飛ばす。麻酔なんかしねぇからな、激痛で叫び散らかしても知らねぇぞ」
彼がおもむろに私のお腹当たりをギュッ、と押し付けるように順番に指をさしていく。
「この肺も、胃も、小腸も大腸も…」
指をさされているのはきっとその臓器が入っている場所。
「肝臓も、膵臓も…」
容赦のないリアルな言葉に、背筋が凍るような思いだった。でもその時。
「腎臓も、心臓も全部売って────」
「だめ…」
「あ?」
「心臓は……、この心臓だけは…大切だから…だめ……。やめてください…」
あれ…私何言ってんだろ…
意図せずそんな言葉が口から出てしまった自分に驚く。
「俺に口答えすんのか」
「いえ……ご、ごめんなさ…」
さらに、怒らせてしまったかもしれない。
このまま、お腹を切られてしまうのかもしれない。
「ほん、とです……っ、ほんとに…わたし、なにも……、、」
私は何も知らない。
もう何度もそう言ったけど、一向に理解してくれない。私が嘘をついてる、って思われてしまっているみたい。
「なにも……、知ら、、ら…」
極度の緊張状態がずっと続いているせいか、もうだんだんと呂律が回らなくなっていく。
そんな私に痺れを切らしたのか、彼が突き放したように言う。
「吐かねぇなら今すぐこの腹かっさばいて、臓器全部売り飛ばす。麻酔なんかしねぇからな、激痛で叫び散らかしても知らねぇぞ」
彼がおもむろに私のお腹当たりをギュッ、と押し付けるように順番に指をさしていく。
「この肺も、胃も、小腸も大腸も…」
指をさされているのはきっとその臓器が入っている場所。
「肝臓も、膵臓も…」
容赦のないリアルな言葉に、背筋が凍るような思いだった。でもその時。
「腎臓も、心臓も全部売って────」
「だめ…」
「あ?」
「心臓は……、この心臓だけは…大切だから…だめ……。やめてください…」
あれ…私何言ってんだろ…
意図せずそんな言葉が口から出てしまった自分に驚く。
「俺に口答えすんのか」
「いえ……ご、ごめんなさ…」
さらに、怒らせてしまったかもしれない。
このまま、お腹を切られてしまうのかもしれない。