ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
親指の腹で、私の涙を拭ってくれたみたい。
馬乗りしてる癖に、あまりに彼が優しく私に触れるから訳分かんなくなって、もう片目から落ちそうになっていた涙が引っ込む。
ずっと冷淡で何を考えいるのか読めなかった彼の瞳がその時。
一瞬、ほんの一瞬だけど。
揺らいだ気がした。
「……もう喋るな」
さっきよりも随分トゲのない彼の声。
直後鼻を摘まれて、固定された後。
口元にペットボトルを押し付けられた。
「ぁ…がっ……」
中には無色透明の液体が入っているのが見て分かる。
危ない液体だ……。
咄嗟にそう思った。
ゆっくりと傾けられるペットボトル。
抗いたくても身体は言うことを聞いてくれない。
口の中に液体が入ってきた。
「んっ、はぁ……っ、」
仰向けになっているから、液体はなんの抵抗もなく喉を通過して身体の中に入っていく。
眠い……。
今飲まされた液体のせい?
毒だったのかな。
一気に睡魔が襲ってきて。
目、つぶってもいいかな。
水掛けられないかな。
そんな心配をしつつも、重たくなっていくまぶたに抗えず目を閉じた。
あぁ……私…、
誰からも愛されないまま死ぬんだ……
意識を手放す前。
私は、
そんなことを考えていた───────…
馬乗りしてる癖に、あまりに彼が優しく私に触れるから訳分かんなくなって、もう片目から落ちそうになっていた涙が引っ込む。
ずっと冷淡で何を考えいるのか読めなかった彼の瞳がその時。
一瞬、ほんの一瞬だけど。
揺らいだ気がした。
「……もう喋るな」
さっきよりも随分トゲのない彼の声。
直後鼻を摘まれて、固定された後。
口元にペットボトルを押し付けられた。
「ぁ…がっ……」
中には無色透明の液体が入っているのが見て分かる。
危ない液体だ……。
咄嗟にそう思った。
ゆっくりと傾けられるペットボトル。
抗いたくても身体は言うことを聞いてくれない。
口の中に液体が入ってきた。
「んっ、はぁ……っ、」
仰向けになっているから、液体はなんの抵抗もなく喉を通過して身体の中に入っていく。
眠い……。
今飲まされた液体のせい?
毒だったのかな。
一気に睡魔が襲ってきて。
目、つぶってもいいかな。
水掛けられないかな。
そんな心配をしつつも、重たくなっていくまぶたに抗えず目を閉じた。
あぁ……私…、
誰からも愛されないまま死ぬんだ……
意識を手放す前。
私は、
そんなことを考えていた───────…