ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
「ごちそうさまでした……」
残すことなく全部食べ終えて、箸を重ねて置く。そこで初めて対面に彼が座っていたことに気付いた。
気だるげに頬ずえをついて、じっと私を見ている。
いつからそこにいたんだろう。
ずっとソファの方にいると思ってた。
それくらい私、夢中で食べていたんだ…。
目尻に浮かぶ涙を拭うと唐突に彼が口を開いた。
「…なんで泣いてた」
「ごめんなさい…、すごく…美味しくて……」
彼にとって美味しいから涙が出る、というものは到底理解が出来ないことなのだろう。
私が答えても不思議そうに顔を顰めるだけだった。
あれ…なんだろう。これ。
ふいに左手薬指に違和感を覚えた。
「ゆび……わ?」
薄い水色のダイヤが輝く指輪。
きっとここで目が覚めた時からずっとついていたものなのに、今今気付いた。
私のものじゃない…
外そうと力を込めてみるも外れそうになかった。
「あの……これ…」
「指輪だ」
当然かのごとくそう答える彼。
「えー、と、……」
それは見たら分かる…
聞きたいことはいっぱいあるのに、言葉が上手く出てこない。
「その指輪は内部に毒針が仕込まれている。逃げようとしたり、外そうとしたりすれば即作動して即死だ」
残すことなく全部食べ終えて、箸を重ねて置く。そこで初めて対面に彼が座っていたことに気付いた。
気だるげに頬ずえをついて、じっと私を見ている。
いつからそこにいたんだろう。
ずっとソファの方にいると思ってた。
それくらい私、夢中で食べていたんだ…。
目尻に浮かぶ涙を拭うと唐突に彼が口を開いた。
「…なんで泣いてた」
「ごめんなさい…、すごく…美味しくて……」
彼にとって美味しいから涙が出る、というものは到底理解が出来ないことなのだろう。
私が答えても不思議そうに顔を顰めるだけだった。
あれ…なんだろう。これ。
ふいに左手薬指に違和感を覚えた。
「ゆび……わ?」
薄い水色のダイヤが輝く指輪。
きっとここで目が覚めた時からずっとついていたものなのに、今今気付いた。
私のものじゃない…
外そうと力を込めてみるも外れそうになかった。
「あの……これ…」
「指輪だ」
当然かのごとくそう答える彼。
「えー、と、……」
それは見たら分かる…
聞きたいことはいっぱいあるのに、言葉が上手く出てこない。
「その指輪は内部に毒針が仕込まれている。逃げようとしたり、外そうとしたりすれば即作動して即死だ」