ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
拘束を解いてくれて。
水を飲ませてくれて。
ご飯をくれて。
だから
”許してくれた”
なんて、一瞬そんなふうに思ってしまったけど違うみたい。
彼は私を許してなくて。
どこにも逃がさない。
”籠の中の鳥”
つまり、そういうことなのだろう。
「…はい」
でも、連日受けた尋問。
アジトはどこだ、とか。
吐け、とか。
そういうことはもう聞いてこなさそう。
「私のことは……もう疑ってないんですか」
きっとこの人たちは雷狂組っていう組織? のアジトを聞い出したかったはず。
もう、疑いは晴れたってことなのかな?
「いや、分からない」
「え?」
「だからそれ付けたんだろ」
「あっ……」
解放、とまではいかないけど少しは私のこと信じてくれた、って感じかな?
「名前は」
「……小桃、です。茅島…小桃」
「小桃」
「はい…っ、ん……っ」
呼ばれた名前に返事をした直後、唇に暖かいものが触れた。
キスされたんだと、すぐに脳が理解した。
頭は混乱するばかり。
でも次に放たれる言葉に、
「小桃」
私はさらに混乱することになる。
「───────…俺と結婚しろ」
水を飲ませてくれて。
ご飯をくれて。
だから
”許してくれた”
なんて、一瞬そんなふうに思ってしまったけど違うみたい。
彼は私を許してなくて。
どこにも逃がさない。
”籠の中の鳥”
つまり、そういうことなのだろう。
「…はい」
でも、連日受けた尋問。
アジトはどこだ、とか。
吐け、とか。
そういうことはもう聞いてこなさそう。
「私のことは……もう疑ってないんですか」
きっとこの人たちは雷狂組っていう組織? のアジトを聞い出したかったはず。
もう、疑いは晴れたってことなのかな?
「いや、分からない」
「え?」
「だからそれ付けたんだろ」
「あっ……」
解放、とまではいかないけど少しは私のこと信じてくれた、って感じかな?
「名前は」
「……小桃、です。茅島…小桃」
「小桃」
「はい…っ、ん……っ」
呼ばれた名前に返事をした直後、唇に暖かいものが触れた。
キスされたんだと、すぐに脳が理解した。
頭は混乱するばかり。
でも次に放たれる言葉に、
「小桃」
私はさらに混乱することになる。
「───────…俺と結婚しろ」