ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
四方八方から聞こえるセミの鳴き声は忙しなく、まるで私を煽っているみたいだった。
カンカン照りの日差しに照りつけられ、額や背中に汗が滲む。連日のこの暑さもこの息苦しさを加速させている気がする。
よし。もう大丈夫かな。
頬にベッタリと張り付いた胸下までの栗色ボブを耳にかけて改めて大きく息を吸って吐く。
だんだん呼吸が落ち着いてきて、ヨタヨタと立ち上がった私は、小さな歩幅である場所に向かった。
「あっ、ももちゃんきたー!」
「ほんとだ! ももちゃーん!」
私の姿を見つけるなり、目をキラキラ輝かせてくれるまだ3、4歳の子供たち。
────ここはしあわせ園といって20人くらいの子供たちが暮らしている小さな児童養護施設。
私はこうして時々、ここにボランティアとして訪れていた。
「きょうは、くるのはやいね! まだおひるたべてないのにー!」
無邪気に笑いかけてくるのは中でもよく私に懐いてくれているサナちゃん。
「うん、用事が済んだから早く来ちゃった」
「やったー! あとで、サナとあそぼー!」
ギュッ! と私の身体にしがみついてくるサナちゃん。
可愛いなぁ……。癒される。
さっきまでの息苦しさが嘘のようにどこかへ行って、つい笑みがこぼれた。
「ももちゃん、かれしできたー?」
「ううん、できてないよー」
サナちゃんたら、会う度に毎回この質問するんだから。
「お疲れ様です、泉さん」
「あら? 茅島さん、今日は早いわね〜。学校は?」
エプロンを付けようと裏に行くと泉さんがお昼ご飯の支度をしているところだった。
カンカン照りの日差しに照りつけられ、額や背中に汗が滲む。連日のこの暑さもこの息苦しさを加速させている気がする。
よし。もう大丈夫かな。
頬にベッタリと張り付いた胸下までの栗色ボブを耳にかけて改めて大きく息を吸って吐く。
だんだん呼吸が落ち着いてきて、ヨタヨタと立ち上がった私は、小さな歩幅である場所に向かった。
「あっ、ももちゃんきたー!」
「ほんとだ! ももちゃーん!」
私の姿を見つけるなり、目をキラキラ輝かせてくれるまだ3、4歳の子供たち。
────ここはしあわせ園といって20人くらいの子供たちが暮らしている小さな児童養護施設。
私はこうして時々、ここにボランティアとして訪れていた。
「きょうは、くるのはやいね! まだおひるたべてないのにー!」
無邪気に笑いかけてくるのは中でもよく私に懐いてくれているサナちゃん。
「うん、用事が済んだから早く来ちゃった」
「やったー! あとで、サナとあそぼー!」
ギュッ! と私の身体にしがみついてくるサナちゃん。
可愛いなぁ……。癒される。
さっきまでの息苦しさが嘘のようにどこかへ行って、つい笑みがこぼれた。
「ももちゃん、かれしできたー?」
「ううん、できてないよー」
サナちゃんたら、会う度に毎回この質問するんだから。
「お疲れ様です、泉さん」
「あら? 茅島さん、今日は早いわね〜。学校は?」
エプロンを付けようと裏に行くと泉さんがお昼ご飯の支度をしているところだった。