ラストウェディング ー余命半年、極道の花嫁になりましたー
「これは?」
一通り物色した結くんが指さしたのはこの中では1番可愛いものだった。肩のところがフリルになっている膝丈ほどのレイヤードワンピ。
ワンピースって似合わない気がして買ってきてくれた真柴さんには申し訳ないけれど正直今まで1度も着用していなかった。
でも、結くんが選んでくれたから……
「これにします」
「ん」
***
「どう、でしょうか」
着替え終わったあと。
結くんに見せたら少しだけ表情が柔らかくなった。
「似合ってる」
似合うかどうか不安だったけどいつだって結くんは心に真っ直ぐと刺さる言葉をくれる。
いつも結くんを見送っている玄関がガチャ、と開けられて今日は私も結くんと一緒に外に出る。
外が久しぶりだからかな。それともデートだからかな。胸がドキドキする。
エレベーターで下に降りるらしく、ボタンを押す結くんの隣でここから見える景色をめいいっぱい視界に放り込む。
少しだけ外の風が頬を撫でてもうこんなに涼しくなったんだな、と感じた。
私が最後に知る外はセミが泣きわめいて少し歩けば額に汗が滲むようなそんな季節だった。でも今はだいぶ涼しく、過ごしやすい気候になっているらしい。
そうか、もう10月だもんね。
一通り物色した結くんが指さしたのはこの中では1番可愛いものだった。肩のところがフリルになっている膝丈ほどのレイヤードワンピ。
ワンピースって似合わない気がして買ってきてくれた真柴さんには申し訳ないけれど正直今まで1度も着用していなかった。
でも、結くんが選んでくれたから……
「これにします」
「ん」
***
「どう、でしょうか」
着替え終わったあと。
結くんに見せたら少しだけ表情が柔らかくなった。
「似合ってる」
似合うかどうか不安だったけどいつだって結くんは心に真っ直ぐと刺さる言葉をくれる。
いつも結くんを見送っている玄関がガチャ、と開けられて今日は私も結くんと一緒に外に出る。
外が久しぶりだからかな。それともデートだからかな。胸がドキドキする。
エレベーターで下に降りるらしく、ボタンを押す結くんの隣でここから見える景色をめいいっぱい視界に放り込む。
少しだけ外の風が頬を撫でてもうこんなに涼しくなったんだな、と感じた。
私が最後に知る外はセミが泣きわめいて少し歩けば額に汗が滲むようなそんな季節だった。でも今はだいぶ涼しく、過ごしやすい気候になっているらしい。
そうか、もう10月だもんね。