わたしのせいしゅんものがたり

告白


1
「ももち、部活一緒に書道部やろうよ!」
オリエンテーション合宿が終わり、部活を決めるときがやってきていた。
穂乃香がそう誘ってきた。
「木曽ちゃんも、ね?」
「え?私も?」
木曽ちゃんも仲間に入れている。
「瑠奈は?」
「瑠奈ちゃんは美術部だって」
瑠奈は絵が得意なので、美術部か。なるほど。
「週3ならきつくないでしょ?」
「まあそうだね」
「じゃ、決まり!」
放課後に入部届けを出しに行くことになった。

2
「書道部?」
「うん。本当は鉄道研究部に入りたかったんだけど週5だし、穂乃香たちがいるからさ」
休み時間。大桃と視聴覚室の前で逢い引きしていた。
「鉄道研究部には唯一女の先輩が1人いるから入りやすいっちゃ入りやすいんだけど、私も友達付き合いがあるしごめんね」
「や、大丈夫だよ。鉄道研究部に入らなくても鉄道好きなのには変わりはないんだからさ」
「だよね」
鉄道研究部に入らなくても鉄道のことは好きだ。だから心配はいらないわけだけど。
「大桃くんはもう入部届け出して来たの?」
「や、まだ。これから出しに行こうと思ってる」
「そっか」
予鈴が鳴った。
「それと大桃くん!」
「なに?」
「…や、何でもない」
「そう?じゃあ行くね」
「うん…」
私ったら何を言おうとしたんだろう。
オリエンテーション合宿のときに気づいた恋心。
それを伝えようとしたんだと思う。
でもなかなか伝えられなくて…。
今日は4月18日。
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