学園の王子様は、私だけのお世話係!?


それから数週間が過ぎていき、5月末。


高校2年生になって、最初の中間テストが終わって数日。


「ねえ。中間テストの結果が、掲示板に貼りだされてるらしいよ」

「ほんと!? 見に行かなくっちゃ!」


昼休み。教室で和花ちゃんと圭人と一緒にお昼ご飯を食べていると、クラスメイトのそんな会話が聞こえた。


「ねえ。あたしたちもご飯食べ終わったら、テストの結果見にいく?」

「おう。結果気になるし、行こうぜ」


行く気満々の和花ちゃんと圭人に、私はこくっと頷いた。


* * *


昼食後。3人で廊下の掲示板までやって来ると、そこは人で溢れていた。


快方に向かっているとはいえ、まだ右腕が完全に元の状態に戻っていない私は、無理に人垣の間を進んだりせずに人の数が少なくなるのを待つ。


「きゃあ。今回も京極くんが1位だよ」

「さすが! 安定の1位、すごすぎる」


掲示板の近くにいる女の子たちが、まるで自分のことのように喜んでいる。
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