学園の王子様は、私だけのお世話係!?


翌日。学校の休み時間。


「いや〜。それにしても絃葉、右腕が治って本当に良かったわね」


私の席へとやって来た友達の和花ちゃんが、自分のことのように喜んでくれる。


「ありがとう。骨がくっついたと言っても、まだ無茶しちゃダメだけどね」

「ギプスが外れたのなら、絃葉も体育祭に参加できるんじゃない?」

「うん。病院の先生に確認してみたら、参加しても大丈夫みたい」

「わあ、良かったねぇ」


6月に突入し、宝生学園では体育祭を3日後に控えていた。


私は、玉入れと借り人競走に出ることになっているけど。


骨折の状態によっては、もしかしたら見学になるかもって思っていたから。


無事、体育祭に出られることになって嬉しい。


「それで? 絃葉は、京極くんに告白するの?」

「へ!? こっ、告白って! 和花ちゃんったら、どうして急にそんなこと……」


和花ちゃんに突拍子もないことを尋ねられ、私は目を瞬かせる。
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