学園の王子様は、私だけのお世話係!?


そして翌日。ついに、体育祭の日がやって来た。


今日は日差しが強いけど、カラッと晴れていてまさに体育祭日和だ。


組み分けは縦割りで、1組は青、2組は赤、3組は白……というように分かれている。


私は2組だから、赤色のハチマキを頭に結ぶ。


「ねえ。こんな感じで大丈夫?」


赤いハチマキを頭に結んだ和花ちゃんが、どう? って聞いてくる。


「うん。ちゃんと結べてるよ」


和花ちゃんに返事したとき。


「赤組、優勝するぞー!」


同じ赤組の3年の先輩が、喝を入れに来た。


体育祭では学年ごとの順位のほかに、総合の順位もあるため、みんな……特に、運動部の子たちのやる気がすごい。


「はい! 絶対に優勝しましょう!!」


喝を入れに来た同じ赤組の先輩に、蒼生くんがやる気に満ちた声を出す。


そんな蒼生くんの頭にも、赤色のハチマキが。


蒼生くんが、自分と同じ色のハチマキをつけている。たったそれだけのことが、すごく嬉しい。


私もせっかく出るからには、少しでも貢献できたらいいな。
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