学園の王子様は、私だけのお世話係!?
そのあとすぐ、私が出場する玉入れの順番がやって来た。
久しぶりに体を動かすこともあってか、私はとても楽しんで玉入れに参加することができた。
騎馬戦に綱引きと、順調に体育祭の競技が進んでいき、昼休み。
「絃葉!」
教室で和花ちゃんとお弁当を食べ終えた私に、圭人が声をかけてきた。
「どうしたの? 圭人」
「絃葉に、大事な話があるんだけど……」
「大事な話?」
頷く圭人の顔は、何だかいつもより少し強ばっているように見える。
「松島さん、ちょっと絃葉のこと借りていいか?」
「もちろんよ。どうぞどうぞ!」
何かを察した様子の和花ちゃんが、圭人に私を差し出すようにして離れる。
「絃葉、こっち来て」
「う、うん」
何の話なのかよく分からないまま、私はおとなしく圭人のあとをついていく。
圭人に連れてこられたのは、体育館裏だった。
賑やかな昼休みの教室とは違って、誰もいないここはやけにシンとしている。
「ねえ、圭人。どうしてこんなところに?」
私が尋ねると、圭人が大きく深呼吸したのが分かった。