学園の王子様は、私だけのお世話係!?
「あの、圭人……私……っ」
さっきから、バクバクと心臓の音がうるさくて。言葉がすぐに出てこない。
ここで、私の本当の気持ちを話したら……。
もしかしたら、圭人とはこれまでみたいに幼なじみでいられなくなるかもしれないって思うと、怖いけど。
ちゃんと、伝えなくちゃ。
「ありがとう、圭人。すごく嬉しいよ」
私がそう言うと、ずっと強ばっていた圭人の顔がぱあっと明るくなる。
「だけど……ごめんなさい」
私は、圭人に向かって頭を下げる。
「私……圭人のこと、今までそんなふうに見たことがなくて。圭人は私にとって、ずっと大切な幼なじみだったから」
「幼なじみ……」
傷ついたような声が頭上から聞こえ、私はすぐに頭を上げられない。
だけど、最後まで言わなくちゃ。