学園の王子様は、私だけのお世話係!?
14. 蒼生くんが大好き
昼休みが終了し、体育祭の午後の部がスタート。
「各クラスの借り人競争に出場する人は、入場ゲートに集まって下さい」
グラウンドに、アナウンスが流れる。
うわ、いよいよだ!
「絃葉、頑張って」
和花ちゃんが、私に手を振ってくれた。
「絃葉、頑張れよ!」
圭人もこれまでと変わらず、私に笑顔で声をかけてくれる。
「ありがとう。行ってくるね!」
和花ちゃんと圭人にヒラヒラと手を振ると、私は集合場所へと向かった。
借り人競争に出場するのが初めての私。
借り人競争は、物の代わりに人を借りて、一緒に走ってゴールする競技だ。
普通の徒競走と違って、競技の勝敗は引いたお題に大きく左右される。
足の速さだけで勝敗が決まらないため、走ることがあまり得意ではない私にも、上位に食い込める可能性が大いにある。