学園の王子様は、私だけのお世話係!?
3. 一緒に通学!?
翌朝。学校に行こうと私が玄関から外に出ると、見慣れない黒の大きなリムジンが家の前に止まっていた。
一般的なごく普通の一軒家には、とても似合わない高級車がどうしてウチの前に?
訳が分からず、私がひとり玄関先で戸惑っていると。
「おはよう、絃葉ちゃん」
車の窓ガラスが下がり、中から笑顔で手を振ってきたのは京極くん。
「おはよう。あの、どうして京極くんがここに……?」
「突然、家に来てしまってごめんね? 絃葉ちゃんを迎えに来たんだよ」
「私を!?」
「うん。右腕にギプスをしたまま、電車に乗って通学するのは大変でしょう? だから、君の腕が治るまでは俺と一緒に車で学校に行こう」
うそ。あのリムジンに乗せてもらえるの!?
嬉しいけど、ただでさえ学校でも色々と手伝ってもらってるというのに……。
「そう言ってもらえるのは、有難いけど。いくら何でも、送迎まで申し訳ないよ。ウチと京極くんの家は、全然方向も違うし」
すると運転席のドアが開き、中からタキシード姿のメガネの男性が出てきた。