学園の王子様は、私だけのお世話係!?
4. 京極くんとポニーテール
「絃葉ちゃん!」
ある日の休み時間。
次の授業が体育のため、和花ちゃんと一緒に更衣室に向かおうと廊下を歩いていた私に、京極くんが声をかけてきた。
「今から、着替えに行くの?」
「えっと、うん」
「ごめん、ちょっとこっちに……」
すると京極くんに廊下の隅へと連れて行かれ、彼の唇が私の耳元へと近づいてくる。
いったい何を言われるんだろうと、ドキドキしていると。
「あのさ……制服、俺が脱がせてあげよっか?」
「へ!?」
他の皆には内緒とばかりに囁かれ、心臓が大きな音を立てる。
「ぬ、脱がせてって……」
「だって絃葉ちゃん、左手だけだと着替えるの大変でしょう?」
息がかかるくらい間近で見下ろされ、彼の指が私のブラウスにかかった。
京極くんは制服のリボンを外すと、今度は片手で器用にブラウスのボタンを上からひとつ、ふたつと外していく。
う、うそ。ここ、廊下なのに……!