学園の王子様は、私だけのお世話係!?


すると、次の瞬間。


「きゃあーーっ!」

「かっこいい〜っ!」


それまでザワついていた教室は、黄色い悲鳴に包み込まれた。


な、なに!?


私は、思わず片方の耳を塞いだ。


「じゃあ、萩原(はぎわら)。みんなに自己紹介して」


……え? 萩原!?


「はい」


“萩原”という苗字に反応した私は、そこで初めて転校生の顔をちゃんと見た。


少し癖のあるダークブラウンの髪に、目鼻立ちの整った顔つきをしていて。

小顔で背が高く、モデルの人みたいにスタイル抜群。


あれ? この人、どこかで……。

転校生の顔に見覚えがある私は、首を傾ける。


「初めまして。萩原圭人(けいと)です」

「……っ!」


彼が自分の名前を名乗った瞬間、私は絶句した。
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