学園の王子様は、私だけのお世話係!?


ホームルームが終わり先生がいなくなると、クラスの女子たちが一斉に圭人の机を取り囲む。


「ねえ。萩原くんって、どこに住んでるの?」

「アメリカの学校って、どんな感じー?」

「萩原くん、彼女とかいるの?」


圭人ったら、さっそく女子に囲まれてすごいなぁ。あっという間に、ハーレム状態だよ。


「なぁなぁ、絃葉」

「え?」


女子に囲まれて質問攻めにあっていたはずの圭人が、いつの間にか私に話しかけてきていた。


「絃葉、元気にしてた?」


隣の席から私のほうに顔を寄せて、にこやかに聞いてくる。


「俺、引っ越してからずっと絃葉に会いたいって思ってたから。こうして会えて嬉しいよ」

「わ、私も……」


至近距離で圭人の大きな目と視線がぶつかって、心臓がドクンと音を立てる。


「つーか、これ見てよ」


圭人が自分のスマホを見せてきたので、それを覗きこむと。
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