学園の王子様は、私だけのお世話係!?
それからしばらく車に揺られ、学校に到着。
「きゃあ、京極く〜ん」
「朝イチで会えるなんて!」
校門前のロータリーで京極くんが車からおりると、いつものように近くにいる女の子たちが騒ぎだす。
「絃葉ちゃん」
先に車から降りた京極くんが、当然のように私に手を差し出してくれた。
「足元、気をつけて」
「うん、ありがとう」
私は差し伸べられた手を取り、車から降りる。
これは、京極くんの家のリムジンで初めて一緒に登校したあの日から、今日までずっと続いているんだ。
「ていうか、またあの子だよ」
「毎朝、王子に送ってもらって。ほんと何なの!?」
送迎の車からおりて歩いていると、相変わらず京極くんのファンの子たちから睨まれる日々。
涼しい顔の京極くんとは反対に、私は肩を丸めて歩く。