このドクターに恋してる
この休憩中に昨日のことを話す予定だったが、本人を目の前にしては説明しにくい。
私は言いよどみながら、宇部先生に視線を送った。なぜ名前で呼ぶようになったか、経緯を伝えてもよいだろうかと。
でも、目で訴えるだけでは伝わらない。宇部先生は自分が説明するべきと受け取ってしまったようだ。
「陽菜ちゃんは、俺の患者さんの親戚の方なんだ。それで、昨日少し話をしたんだよ」
「宇部先生の患者さん……あー、姪っ子の美結ちゃん?」
昨日、私が話していたことを希子さんが思い出す。美結がここに入院したから、これからお見舞いに行くと帰り際に伝えていた。
私はこくこくと頷く。
「昨日、美結のお見舞いに行ったときに宇部先生と会ったんです」
「あー、それでいつもより遅い時間に帰っていたんだね」
私の返事にいち早く反応したのは、驚くことに郁巳先生だった。
郁巳先生の言葉に「えっ?」と郁巳先生以外の三人が目を見開く。郁巳先生は人差し指で頬をかき、口を開いた。
「昨日、帰るときに岩見さんを見かけたんだ。業務が終わってから帰るには遅い時間だったから、残業、もしくはなにかトラブルでもあったのかと思ってね」
「なるほど、長時間労働を懸念したというわけか」
私は言いよどみながら、宇部先生に視線を送った。なぜ名前で呼ぶようになったか、経緯を伝えてもよいだろうかと。
でも、目で訴えるだけでは伝わらない。宇部先生は自分が説明するべきと受け取ってしまったようだ。
「陽菜ちゃんは、俺の患者さんの親戚の方なんだ。それで、昨日少し話をしたんだよ」
「宇部先生の患者さん……あー、姪っ子の美結ちゃん?」
昨日、私が話していたことを希子さんが思い出す。美結がここに入院したから、これからお見舞いに行くと帰り際に伝えていた。
私はこくこくと頷く。
「昨日、美結のお見舞いに行ったときに宇部先生と会ったんです」
「あー、それでいつもより遅い時間に帰っていたんだね」
私の返事にいち早く反応したのは、驚くことに郁巳先生だった。
郁巳先生の言葉に「えっ?」と郁巳先生以外の三人が目を見開く。郁巳先生は人差し指で頬をかき、口を開いた。
「昨日、帰るときに岩見さんを見かけたんだ。業務が終わってから帰るには遅い時間だったから、残業、もしくはなにかトラブルでもあったのかと思ってね」
「なるほど、長時間労働を懸念したというわけか」