このドクターに恋してる
 体を素早く反転させられて、私がベッドに横たわる形となった。
 郁巳さんが私の髪を撫でる手が心地よくて、目を細める。薄目で接近してくる彼を見つめた。
 額や頬にキスを落とし、唇を重ねる。
 深い口づけに息があがっていった。

「陽菜……好きだよ」
「私も、郁巳さんが、好き……」

 彼から与えられる刺激に私の体は敏感に反応し、甘い声がとめどなく漏れる。
 体がひとつに溶け合い、幸せの絶頂へと導かれた。
 汗ばむ彼の肩を掴み、体を震わせる。
 力を抜いた彼を受け止め、優しく抱きしめた。

「陽菜……」

 呼吸を整える中で私を呼ぶ郁巳さんがとても愛しくなる。
 私は彼の頭を撫でた。

「誰かに撫でられるなんて、久しぶりだな……」
「これからはいつでも撫でてあげますよ」
「ありがと」

 どんなことがあろうとも一番近くにいて、彼を守りたい。
 彼がいつでも穏やかでいられるようにしたい。
 彼との幸せが永遠に続くことを祈りながら、眠りについた。
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