このドクターに恋してる
守りたい人
郁巳さんと付き合い始めて、早くも二週間が過ぎた。
院内で彼を見かける頻度は以前と変わらないが、休憩時間が重なったときは食堂で待ち合わせた。郁巳さんが一緒に食べたいと言うからだ。
二人で向かい合っていると、周囲から視線をものすごく感じた。郁巳先生と一緒にいる人は誰? 彼女なの?と噂がすぐに広まったが、私との関係を聞かれた郁巳さんがあっさりと彼女だと答えたらしい。
そのせいで私はさらに注目を浴びてしまい、廊下を歩くだけでジロジロと見られた。
できる限り目立たないようにと身を縮み込ませているのだが、まったく周囲を気にしない様子の郁巳さんはのんきに話掛けてくる。
「今度の土日、完全オフだからどこか行こうか」
「えっ、あ、そうですね……」
「どうした?」
小声で返す私を郁巳さんは不思議そうに見た。
「あの、気にならないですか? 周りの人たちの目……」
「ああ、見られているのはわかっているよ。でも、気にしなくてもいいだろう。悪いことは何もしていないのだから、堂々としていたらいい」
「そうなんですけど……」
「それより一泊しない? 温泉とか」
「温泉! いいですね!」
魅力的な提案に私の声は弾んだ。郁巳さんが楽しそうに笑う。
院内で彼を見かける頻度は以前と変わらないが、休憩時間が重なったときは食堂で待ち合わせた。郁巳さんが一緒に食べたいと言うからだ。
二人で向かい合っていると、周囲から視線をものすごく感じた。郁巳先生と一緒にいる人は誰? 彼女なの?と噂がすぐに広まったが、私との関係を聞かれた郁巳さんがあっさりと彼女だと答えたらしい。
そのせいで私はさらに注目を浴びてしまい、廊下を歩くだけでジロジロと見られた。
できる限り目立たないようにと身を縮み込ませているのだが、まったく周囲を気にしない様子の郁巳さんはのんきに話掛けてくる。
「今度の土日、完全オフだからどこか行こうか」
「えっ、あ、そうですね……」
「どうした?」
小声で返す私を郁巳さんは不思議そうに見た。
「あの、気にならないですか? 周りの人たちの目……」
「ああ、見られているのはわかっているよ。でも、気にしなくてもいいだろう。悪いことは何もしていないのだから、堂々としていたらいい」
「そうなんですけど……」
「それより一泊しない? 温泉とか」
「温泉! いいですね!」
魅力的な提案に私の声は弾んだ。郁巳さんが楽しそうに笑う。