このドクターに恋してる
私は話をしたこともない医師二人に自分の存在を知られていると、微塵にも思っていなかった。郁巳先生は私の名前や勤務時間まで知っていたから、より驚きだった。
「いや、すみません。なにかしようと考えて、知っていたわけではないので」
郁巳先生が謝る横で宇部先生がうんうんと頷いた。
「郁巳はいろんなことを真面目に取り組んでいるせいで、記憶力が半端なくいいんだよね。一度顔と名前を見ただけで覚えるという得意技があるらしい。まあ、ちょっと脅威を感じちゃうけどね」
「圭介、余計なことを言うな」
「あ、悪い」
宇部先生は一応謝ってはいるが、悪びれた様子は感じられない。
私は二人のやり取りを仲が良いなと見て、口もとを緩めた、
「大丈夫です。脅威なんて少しも感じませんから。ただ記憶力がいいのは、とても羨ましいと思いました。覚えるのにコツでもあるんですか……って、私とは頭の構造が違いますよね」
恥ずかしい質問をしていることに話している途中で気付き、私は苦笑した。変なことを言っていると思われたかもしれない。
宇部先生がフッと笑みを零して、一歩私に近付いた。
「いや、すみません。なにかしようと考えて、知っていたわけではないので」
郁巳先生が謝る横で宇部先生がうんうんと頷いた。
「郁巳はいろんなことを真面目に取り組んでいるせいで、記憶力が半端なくいいんだよね。一度顔と名前を見ただけで覚えるという得意技があるらしい。まあ、ちょっと脅威を感じちゃうけどね」
「圭介、余計なことを言うな」
「あ、悪い」
宇部先生は一応謝ってはいるが、悪びれた様子は感じられない。
私は二人のやり取りを仲が良いなと見て、口もとを緩めた、
「大丈夫です。脅威なんて少しも感じませんから。ただ記憶力がいいのは、とても羨ましいと思いました。覚えるのにコツでもあるんですか……って、私とは頭の構造が違いますよね」
恥ずかしい質問をしていることに話している途中で気付き、私は苦笑した。変なことを言っていると思われたかもしれない。
宇部先生がフッと笑みを零して、一歩私に近付いた。