このドクターに恋してる
兄が先生たちのグラスにウーロン茶を注ぎ足しながら、話す。
「お医者さんという仕事は大変なことが多いと思いますけど、医者になろうと思ったきっかけはなんですか?」
兄の質問にどう答えるのかと、私と美久さんと母も先生たちに注目した。先に宇部先生が答える。
「俺は陽菜ちゃんと似ているかも。子どものときに医療ドラマも見て、優しくてかっこいい医者になりたいと思ったんですよ」
兄が苦笑した。
「いやいや、陽菜とは全然感じ方が違いますよ。宇部先生みたいに立派に感じていないですよ、こいつは」
兄に指差されて、私は口を尖らせる。
「私だって、かっこいいお医者さんがいる病院で働くのには自分も医者か看護師になるのがいいのかなと考えたこともあったよ」
「おいおい、まずかっこいい医者に会うのが目的というところが違うだろうに」
「うっ……」
すかさず兄に突っ込まれて、私は言葉を詰まらせた。
宇部先生が声を出して、笑う。
「やっぱり陽菜ちゃんはおもしろいね。聞いていて、楽しくなるよ」
「すみません、バカなことばかり言っていて……」
「バカなことじゃないよ。目的がどんなことであろうとも、今ちゃんと仕事をしているのだから引け目を感じることはないよ」
「お医者さんという仕事は大変なことが多いと思いますけど、医者になろうと思ったきっかけはなんですか?」
兄の質問にどう答えるのかと、私と美久さんと母も先生たちに注目した。先に宇部先生が答える。
「俺は陽菜ちゃんと似ているかも。子どものときに医療ドラマも見て、優しくてかっこいい医者になりたいと思ったんですよ」
兄が苦笑した。
「いやいや、陽菜とは全然感じ方が違いますよ。宇部先生みたいに立派に感じていないですよ、こいつは」
兄に指差されて、私は口を尖らせる。
「私だって、かっこいいお医者さんがいる病院で働くのには自分も医者か看護師になるのがいいのかなと考えたこともあったよ」
「おいおい、まずかっこいい医者に会うのが目的というところが違うだろうに」
「うっ……」
すかさず兄に突っ込まれて、私は言葉を詰まらせた。
宇部先生が声を出して、笑う。
「やっぱり陽菜ちゃんはおもしろいね。聞いていて、楽しくなるよ」
「すみません、バカなことばかり言っていて……」
「バカなことじゃないよ。目的がどんなことであろうとも、今ちゃんと仕事をしているのだから引け目を感じることはないよ」