貧乏男子、お断り!〜玉の輿に乗りたい私は何故か、金無し貧乏イケメンに気に入られてます〜
「田舎に居たら無理だと思ったから都会に出て来たけど……都会での生活って本当にお金がかかるんだよなぁ……」

 まず一に、只でさえ物価高の現代。何を買うにも高い世の中、なるべく安く済ませたいとは思いつつも、それなりの企業に勤めていれば、それなりの暮らしが強いられる。

 例えば、洋服。

 私が勤めているのはそこそこ名の知れているアパレルブランド会社。

 そこの営業事務として裏方をしてはいるけれど、日々の身なりにはとにかく気を使う。

 周りの人たちは皆、自社製品は勿論、大手高級ブランドの服に身を包んでいたりととにかく名の知れた有名ブランドでお買い物をしては、競うようにそれを見せ合って自慢するという見栄張り合戦を繰り広げている。

 そんな中でも年功序列というのか先輩よりも良い物は身に付けてはいけないという暗黙のルールがあって、私のような下っ端はそこそこ名の知れたブランド程度の服で身を固めなければならないものの、だからといって安さが売りのプチプラブランドとはいかないので、それなりにお金はかかる。

 しかも周りは皆、短期間での着回しもしない。

 そんな中で私だけ一週間の内に同じ服を着て行くなんてことは出来ない為、自然と服の購入量が増えていく。

 次に、食事情。

 働いていれば付き合いもあるわけで、ランチに飲み会など、食についても日々お金はかかる。

 ランチはほぼ毎日、近くのカフェに入り浸っているので一日千円以上は絶対条件。

 更に、週末は大抵先輩からのお誘いでご飯やら飲みに誘われることが殆どなので、そこでもお金がかかっていく。

 勿論、先輩が奢ってくれる時もあるけど毎回とはいかないので、その出費もまた結構な痛手だったりする。

 そんなこんなで、常にお金を使う生活を強いられる為、当然それに比例して支出額も増えるわけで、稼いでいてもお金はあまり貯まらない。

 唯一節約出来るのは出勤しない土日祝日のみなので、今日のような休日は基本、家でゴロゴロしながら一日を過ごしていた。
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