プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「それでそのピアスだけどさ――」
その言葉ではっと思い出す。この会話を始めたきっかけは、手の中にあるこのピアスだったと。
「あっ、もしかしてそのときにこれ落としたの?」
「いや、落としたっていうか、自分で外してた。なぜか左耳のピアスだけうっとうしくなったみたいで、左だけ外してカウンターの上に置いてた」
「えっ、そんなことしてたの!? じゃあ、お店に忘れてきたんだ」
「あー、というよりは俺が預かってたって言ったほうが正しいかな」
予想外の台詞に莉都花は「え?」と首を傾げる。柊仁に預かってもらう理由がさっぱりわからない。
どういうことだとそのまま首を傾げていれば、柊仁がその理由を明かしてくれた。
「りっかちゃん、だいぶ酔ってたんだよ。本当は好きに飲ませてやりたかったけどさ、女の子が一人で泥酔してる状況はよくないだろ? だから、途中で俺が外に連れ出したんだ。そのときになくさないよう、いったん俺が預かった」
とことんやらかしていたんだなと、莉都花は深いため息をついた。
「そうだったんだ……本当にごめんね。私、めちゃくちゃ迷惑かけてる」
「いや。俺が放っておけなかっただけだから。大輝と別れた原因も知ってたし、俺に話して楽になるなら、付き合ってやりたいなって思ったんだ」
柊仁に助けてもらっていたのに、それをまったく覚えていないことが悔やまれる。ちゃんと全部覚えている状態で柊仁と話したかった。あのときはありがとうと、心から言えたらよかったのにと思う。
でも、それは叶いそうにないから、教えてもらった事実に対して、今の気持ちを告げる。
その言葉ではっと思い出す。この会話を始めたきっかけは、手の中にあるこのピアスだったと。
「あっ、もしかしてそのときにこれ落としたの?」
「いや、落としたっていうか、自分で外してた。なぜか左耳のピアスだけうっとうしくなったみたいで、左だけ外してカウンターの上に置いてた」
「えっ、そんなことしてたの!? じゃあ、お店に忘れてきたんだ」
「あー、というよりは俺が預かってたって言ったほうが正しいかな」
予想外の台詞に莉都花は「え?」と首を傾げる。柊仁に預かってもらう理由がさっぱりわからない。
どういうことだとそのまま首を傾げていれば、柊仁がその理由を明かしてくれた。
「りっかちゃん、だいぶ酔ってたんだよ。本当は好きに飲ませてやりたかったけどさ、女の子が一人で泥酔してる状況はよくないだろ? だから、途中で俺が外に連れ出したんだ。そのときになくさないよう、いったん俺が預かった」
とことんやらかしていたんだなと、莉都花は深いため息をついた。
「そうだったんだ……本当にごめんね。私、めちゃくちゃ迷惑かけてる」
「いや。俺が放っておけなかっただけだから。大輝と別れた原因も知ってたし、俺に話して楽になるなら、付き合ってやりたいなって思ったんだ」
柊仁に助けてもらっていたのに、それをまったく覚えていないことが悔やまれる。ちゃんと全部覚えている状態で柊仁と話したかった。あのときはありがとうと、心から言えたらよかったのにと思う。
でも、それは叶いそうにないから、教えてもらった事実に対して、今の気持ちを告げる。