プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「柊仁。私――」
「莉都花」
「っ」

 初めてのその呼び方に、莉都花の言葉は止まってしまった。

 柊仁も莉都花を真っ直ぐに見つめている。その表情は柔らかくて、温かくて、もうそれだけで柊仁の言わんとすることが伝わってくる。

「好きだ。莉都花が好き。好きだよ。初めて会った日から惹かれてた。今はもっと好き。莉都花が大好き」

 莉都花が言おうとしていたのに、先を越されてしまった。莉都花も早く告げなければと、溢れる感情と共にとうとうその言葉を吐き出す。

「柊仁っ。私も、私も好き。柊仁が好き。好きなの。好きでたまらない」

 全身からその想いを放出させれば、柊仁はおかしそうに笑ってから、莉都花の頬に手を添え、優しく擦り始めた。

「あーあ、俺なんかに引っかかっちゃって。りっかちゃん、もう逃げられないよ」
「いい。逃げないからいい」

 柊仁から逃げたりしないと強く真っ直ぐ見つめれば、柊仁は優しい微笑みを浮かべて、もう一度それを口にしてくれた。

「莉都花、好きだ」
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