プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
柊仁の家に戻ると、莉都花は早速買ったものを一つ一つ開封していく。小物はともかく衣類はなかなかにかさばる。本当にこれを全部置いていいのだろうかと思ったが、柊仁はわざわざ荷物を整理して、収納スペースの一画を空けてくれた。
「よしっ! ここ好きに使っていいよ」
「そんなしっかり場所空けなくてもよかったのに」
「いいんだよ、これで。これならいつでもりっかちゃんの気配を感じられる」
「もう、どんだけ私のこと好きなのよ」
「いつも世界一って言ってるだろ?」
そうだ、この男にその手の冗談は通用しないのだったと、先ほどの発言を悔いる。これでは莉都花がただただイタくて恥ずかしい子みたいだ。
ばつが悪くて苦笑するが、柊仁はどうやら甘々モードに突入してしまったらしい。莉都花の両頬を包み込んで、甘く見つめてくる。
「マジで好きすぎておかしくなりそう。りっかちゃんに一日でも会えないと、中毒症状出るし」
「人を危険な薬物みたいに言わないでよ」
「俺にはそれだけ欠かせない存在ってこと」
柊仁がすらすらと甘い言葉を口にするから、莉都花も素直な想いがこぼれ落ちる。
「……私も。柊仁がすごく大切だよ。ずっといてくれないと困る」
「心配しなくても、俺はずっとりっかちゃんのそばにいるから。俺、賭け事で負けたことないしな。りっかちゃんは、俺の願い事を聞く準備、しといたほうがいいよ」
「……常識の範囲内でお願いします」
柊仁の勝ちだと今は信じて疑っていないし、そうなってほしいと心から願っている。だから、賭けの予想については一切触れなかった。
代わりに賭けの褒美について釘を刺す。しかし、それは上手く刺さっていないようだ。
「俺はいつだって常識的なことしか言わないだろ」
いつだって常識を逸脱している男の台詞ではないと、ジトっとした目で見る。
柊仁はなぜか莉都花のその表情を嬉しそうに見つめ返している。
「俺、その目も好き。ぞくぞくする」
この男にはよほど分厚い恋のフィルターがかかっているらしい。何をしても、何を言っても喜ぶ。
軽く恐怖すら覚えそうなほどの愛だが、なんだかんだでそれが心地よくもある。莉都花は小さくため息をこぼしたあとに、軽く口づけをお見舞いしてやった。
柊仁の表情に甘さが増したのは言うまでもない。
そんな柊仁は放っておき、莉都花は黙々と購入した品を片づけていった。
これからの柊仁との日々を思い、莉都花は胸を躍らせる。今まで迎えられなかったハッピーエンドへのカウントダウンが始まったのだと強く確信して疑わなかった。
しかし、このとき動き出したタイマーは、莉都花が望むそれとは真逆のものであった。
「よしっ! ここ好きに使っていいよ」
「そんなしっかり場所空けなくてもよかったのに」
「いいんだよ、これで。これならいつでもりっかちゃんの気配を感じられる」
「もう、どんだけ私のこと好きなのよ」
「いつも世界一って言ってるだろ?」
そうだ、この男にその手の冗談は通用しないのだったと、先ほどの発言を悔いる。これでは莉都花がただただイタくて恥ずかしい子みたいだ。
ばつが悪くて苦笑するが、柊仁はどうやら甘々モードに突入してしまったらしい。莉都花の両頬を包み込んで、甘く見つめてくる。
「マジで好きすぎておかしくなりそう。りっかちゃんに一日でも会えないと、中毒症状出るし」
「人を危険な薬物みたいに言わないでよ」
「俺にはそれだけ欠かせない存在ってこと」
柊仁がすらすらと甘い言葉を口にするから、莉都花も素直な想いがこぼれ落ちる。
「……私も。柊仁がすごく大切だよ。ずっといてくれないと困る」
「心配しなくても、俺はずっとりっかちゃんのそばにいるから。俺、賭け事で負けたことないしな。りっかちゃんは、俺の願い事を聞く準備、しといたほうがいいよ」
「……常識の範囲内でお願いします」
柊仁の勝ちだと今は信じて疑っていないし、そうなってほしいと心から願っている。だから、賭けの予想については一切触れなかった。
代わりに賭けの褒美について釘を刺す。しかし、それは上手く刺さっていないようだ。
「俺はいつだって常識的なことしか言わないだろ」
いつだって常識を逸脱している男の台詞ではないと、ジトっとした目で見る。
柊仁はなぜか莉都花のその表情を嬉しそうに見つめ返している。
「俺、その目も好き。ぞくぞくする」
この男にはよほど分厚い恋のフィルターがかかっているらしい。何をしても、何を言っても喜ぶ。
軽く恐怖すら覚えそうなほどの愛だが、なんだかんだでそれが心地よくもある。莉都花は小さくため息をこぼしたあとに、軽く口づけをお見舞いしてやった。
柊仁の表情に甘さが増したのは言うまでもない。
そんな柊仁は放っておき、莉都花は黙々と購入した品を片づけていった。
これからの柊仁との日々を思い、莉都花は胸を躍らせる。今まで迎えられなかったハッピーエンドへのカウントダウンが始まったのだと強く確信して疑わなかった。
しかし、このとき動き出したタイマーは、莉都花が望むそれとは真逆のものであった。