プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
昼休憩の時間を迎え、莉都花は千紗と共に会社を出る。朱里は外出中でここにはいない。
「ごめんね、千紗ちゃん。今日朱里さんいるのかと思ってた」
「いいよ、いいよ。気にしないで。せっかく彼氏さんと約束してるんだから、ランチ楽しんできてよ」
「ありがとう、千紗ちゃん」
優しい言葉をかけてくれる千紗に、本当にいい子だなと莉都花は胸を温かくした。
普段であれば千紗と共にランチに行くところだが、今日は柊仁との先約がある。午前休を取っている柊仁に、一緒にランチに行かないかと誘われ、それを快諾していた。
会社の前まで来てくれるという柊仁をきょろきょろと探す。わかりにくい場所でもないから、迷っているということはさすがにないだろう。
駅のほうから歩いてくるだろうと駅へ続く道を見やれば、その道の途中にあるコンビニから柊仁が出てきた。
「あっ、柊仁ー!」
「お、りっかちゃん」
二人で手を振り合う。笑顔で走り寄ってきた柊仁に、莉都花も笑顔を返す。
しかし、隣から聞こえてきた声が二人の笑みを消した。
「……柊仁くん」
千紗からこぼれ出た柊仁の名に、思わず「えっ?」と訊き返す。
「あっ、えっと……莉都花ちゃん、またあとでね」
千紗は柊仁に向かって会釈したあと、その場から逃げるようにして、走り去ってしまった。
目の前の柊仁はひどく険しい表情で千紗の後姿を見つめていた。
「ごめんね、千紗ちゃん。今日朱里さんいるのかと思ってた」
「いいよ、いいよ。気にしないで。せっかく彼氏さんと約束してるんだから、ランチ楽しんできてよ」
「ありがとう、千紗ちゃん」
優しい言葉をかけてくれる千紗に、本当にいい子だなと莉都花は胸を温かくした。
普段であれば千紗と共にランチに行くところだが、今日は柊仁との先約がある。午前休を取っている柊仁に、一緒にランチに行かないかと誘われ、それを快諾していた。
会社の前まで来てくれるという柊仁をきょろきょろと探す。わかりにくい場所でもないから、迷っているということはさすがにないだろう。
駅のほうから歩いてくるだろうと駅へ続く道を見やれば、その道の途中にあるコンビニから柊仁が出てきた。
「あっ、柊仁ー!」
「お、りっかちゃん」
二人で手を振り合う。笑顔で走り寄ってきた柊仁に、莉都花も笑顔を返す。
しかし、隣から聞こえてきた声が二人の笑みを消した。
「……柊仁くん」
千紗からこぼれ出た柊仁の名に、思わず「えっ?」と訊き返す。
「あっ、えっと……莉都花ちゃん、またあとでね」
千紗は柊仁に向かって会釈したあと、その場から逃げるようにして、走り去ってしまった。
目の前の柊仁はひどく険しい表情で千紗の後姿を見つめていた。