プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
仕事を終え、帰宅した莉都花は、電気もつけずにベッドに横たわる。今日の昼の出来事がずっと頭の中を渦巻いていて、ほかは何も考えられない。
嫌な考えが頭を離れず、何もする気になれない。
ただただ深く大きなため息を何度も吐くしかなかった。
あのとき柊仁が険しい表情をしたのは一瞬だった。すぐにいつもの笑みを浮かべて、莉都花とのランチを楽しんでいた。ランチ中も別れ際も、千紗のことには一切触れなかった。もちろん莉都花も触れられなかった。
だから、夜になった今も、こうしてうじうじと昼間のことを考えている。
何度目になるかわからないため息を「はあーっ」とこぼしていたら、ピンポンとこの家のインターホンが鳴った。
電気はつけていないし、このまま居留守を使ってしまいたい。そんな考えも浮かぶが、そこにいる誰かに再度の訪問をさせるのは申し訳ない。
何か宅配を頼んでいただろうかと考えながらドアを開ければ、そこに立っていたのは、莉都花の頭の中をずっと占めているその人だった。
「柊仁……」
「不安になってるだろうなって思って。全部話しに来たから、入れてくれる?」
全部お見通しらしい。確かによく考えれば、柊仁がそれを見逃すはずないと思う。柊仁はいつだって莉都花の微細な変化にも気づいてくれるのだから。
嫌な考えが頭を離れず、何もする気になれない。
ただただ深く大きなため息を何度も吐くしかなかった。
あのとき柊仁が険しい表情をしたのは一瞬だった。すぐにいつもの笑みを浮かべて、莉都花とのランチを楽しんでいた。ランチ中も別れ際も、千紗のことには一切触れなかった。もちろん莉都花も触れられなかった。
だから、夜になった今も、こうしてうじうじと昼間のことを考えている。
何度目になるかわからないため息を「はあーっ」とこぼしていたら、ピンポンとこの家のインターホンが鳴った。
電気はつけていないし、このまま居留守を使ってしまいたい。そんな考えも浮かぶが、そこにいる誰かに再度の訪問をさせるのは申し訳ない。
何か宅配を頼んでいただろうかと考えながらドアを開ければ、そこに立っていたのは、莉都花の頭の中をずっと占めているその人だった。
「柊仁……」
「不安になってるだろうなって思って。全部話しに来たから、入れてくれる?」
全部お見通しらしい。確かによく考えれば、柊仁がそれを見逃すはずないと思う。柊仁はいつだって莉都花の微細な変化にも気づいてくれるのだから。