プレイボーイと恋の〝賭け〟引き
「お前、なんか顔つき変わったな。随分と柔らかい表情するようになったな」
「あー、まあ、そうかもな。古いしこりが消えたから」
「お前、それって……」
「偶然再会した。もうあの日の怒りも悲しみもない。今はすっきりしてる。そしたらさ、想いを再認識できたんだ。それも日に日に強くなってて、今は苦しいくらいだよ」
ドクドクと心臓が強く脈打ち、全身に勢いよく血が流れていくのに、なぜか体は冷えていく。
なんてひどい思い上がりだろうか。自分が運命の相手だと思っていたなんて。あまつさえ、千紗を脇役に据えようとはあまりにも愚かだ。
一人だけ柊仁からの愛を堪能しておいて、柊仁も千紗も苦しめていただなんて、愚かすぎて救いようがない。
先ほどの微笑みは一瞬にして消え、暗く悲しい表情しか浮かべられなくなった。
そんな顔で席へ戻れば、柊仁の心配が強くなるのは当然だ。
結局、カクテルも飲みきらないまま、莉都花は柊仁と共にバーを出た。
自宅への道中、莉都花は悲しく切ない決意を固めていた。ほんの少し、ほんのわずかだけ希望も捨ててはいないが、柊仁の本音を知った今は、それがとてつもなく儚い希望だとわかっていた。
「あー、まあ、そうかもな。古いしこりが消えたから」
「お前、それって……」
「偶然再会した。もうあの日の怒りも悲しみもない。今はすっきりしてる。そしたらさ、想いを再認識できたんだ。それも日に日に強くなってて、今は苦しいくらいだよ」
ドクドクと心臓が強く脈打ち、全身に勢いよく血が流れていくのに、なぜか体は冷えていく。
なんてひどい思い上がりだろうか。自分が運命の相手だと思っていたなんて。あまつさえ、千紗を脇役に据えようとはあまりにも愚かだ。
一人だけ柊仁からの愛を堪能しておいて、柊仁も千紗も苦しめていただなんて、愚かすぎて救いようがない。
先ほどの微笑みは一瞬にして消え、暗く悲しい表情しか浮かべられなくなった。
そんな顔で席へ戻れば、柊仁の心配が強くなるのは当然だ。
結局、カクテルも飲みきらないまま、莉都花は柊仁と共にバーを出た。
自宅への道中、莉都花は悲しく切ない決意を固めていた。ほんの少し、ほんのわずかだけ希望も捨ててはいないが、柊仁の本音を知った今は、それがとてつもなく儚い希望だとわかっていた。